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もしもリーマン・ショックの少し前から積立投資をしていたら・・・

2016年6月8日

【要約】

  • 経済の先行きへの不安を強く感じる場合には、積立投資(ドルコスト平均法)が有効。
  • 実際に、2008年からの3年間で米国の株価は暴落を経て元の水準に戻っただけだが、同期間に積立投資をしていた場合は資産が23.5%増加。
  • 円建てでは、同期間の米国株価は円高により暴落前の水準に戻らなかったが、積立投資の場合は8.5%増加。

はじめに

先日の伊勢志摩サミットにおいて安倍首相が、現在とリーマン・ショック前後の経済データを比較して、世界経済が今後危機に陥るリスクがあるとの認識を示したとの報道がありました。 もし世界経済の危機が現実のものとなるのなら株価も大きく下落することが予想されるため、しばらく投資は手控えるべきなのでしょうか。

本稿では、リーマン・ショックの少し前から米国株式に積立投資をしていた場合のパフォーマンスを確認し、経済の先行きに不安を感じる場合において積立投資が合理的な選択肢であることをご説明します。

1)2008年から3年間の米国の株価推移

図表1:S&P500指数(配当込)の推移(2008年1月末を100)

2008年に起こった「リーマン・ショック」では、世界経済は大きな打撃を受け、株式相場も急落しました。 図表1の通り、危機の震源地である米国では株価は2008年に大きく下落しましたが、2009年前半には底を打ち、2011年の初めにはリーマン・ショック前の水準に戻りました。

2)2008年初めからのドル積立投資

図表2:積立投資のパフォーマンス(毎月末に5万円投資)

2008年1月からの3年間でS&P500指数は暴落して元の水準まで戻っただけですが、同じ期間に同指数に毎月500ドルを積立投資していた場合のパフォーマンスを試算してみると、最終的な評価額は投資額の累計より23.5%増えるという結果になりました(図表2)。

3)円建ての場合

同じ期間を円建てで見るとどうでしょうか。 リーマンショック後の大幅な円高により、S&P500指数は円建てで見た場合には元に戻らず大きなマイナスのままでした(図表3)。 しかし同指数に毎月5万円ずつ積立投資していた場合には、最終的な評価額は投資額の累計より8.5%の増加となっていました(図表4)。

図表3:S&P500指数(配当込)の円建てでの推移(2008年1月末を100)
図表4:積立投資のパフォーマンス(毎月末に5万円投資)

4)積立投資(ドルコスト平均法)の効果

このような定期定額の投資は「ドルコスト平均法」と呼ばれ、有効な投資手法として古くから知られています。 株価が下落した場合には、それまでよりも安く株を購入することになるため、その後に株価が下落前の水準まで回復しただけでも評価額がプラスになるのです。

今回は相場が急落しその後回復するという局面にフォーカスして考えてきましたが、実際には相場の動きはランダムに近いと考えられ、これから上昇するのか下落するのかは事前にはわかりません。 相場が上昇を続ける可能性も考えると、投資した後の一時的な価格の下落を気にしないという方は、予定している投資金額を一度に投資してしまうことも可能でしょう。 しかし自分が投資した後の相場下落が心配という方も多いのではないでしょうか。 そのような方にとって、タイミングを分けて投資する積立投資は、心理的な負担を軽減しながらも着実に投資額を増やしてゆける、資産形成のための合理的な方法と考えられます。

冒頭の疑問に戻ると、世界経済の先行きに懸念があると言われている場合も、実際に危機が訪れるのか、何事もなく経済成長が続くのかは事前にはわかりません。 先行きに不安を感じるような場合であっても、仮に経済情勢が悪化したとしても「安く買えるチャンス」ととらえることができる積立投資は、打ってつけの投資手法なのではないでしょうか。

おわりに

今回は、リーマン・ショックの頃を例に、経済の先行きに不安を感じる場合の積立投資の有効性ついて考えてみました。 WealthNaviでは今後も皆さまの資産形成のお役に立てるよう、情報発信につとめてまいります。

図表などにおけるデータの出所および試算の前提

  • 各図表はトムソン・ロイターのデータに基づきWealthNaviにて作成。
  • 2008年1月から2011年1月までの各月末のデータを利用。
  • 米国の株価として、S&P500指数(配当込)を2008年1月末を100に調整した値を利用。
  • 税金や手数料などは考慮せず、指数に直接投資できたと仮定して試算。

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