WealthNavi
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資産作りのインフラを目指して

水道の蛇口をひねれば当たり前に水が出てくるように、資産作りを考える誰もが使えるインフラになりたい。私たちには、お客様が安心して使えるサービスを提供し続ける責務があります。

ウェルスナビは、ノーベル賞理論に基づき、全自動で資産運用をするロボアドバイザーサービス「ウェルスナビ」を、2016年7月にリリースしました。日本の個人金融資産1,800兆円(17年6月末、資金循環統計)のうち、高齢者が保有する資産はざっと3分の2。そんな中、ウェルスナビはあくまで「働く世代を豊かにする」ことを目指しています。

30~50代をメインユーザーとする私たちの試みは、金融業界の常識に照らせば相当チャレンジングでしょう。日本の銀行や証券会社にとって、資産運用サービスのお客様のほとんどは50代以上。目の前にいるお客さんの層を考えれば、当然のビジネスモデルだと思います。

一方、働く世代が資産作りについて悩んでいるのは確かです。年金や退職金の制度がいつまで持つかと不安を抱えながら誰にも相談できない。何かしなければと焦っていても、給与は低金利の銀行預金に委ねたまま……。働く世代の声にならない声をすくい取り、新たなサービスを作るのは、スタートアップ企業の役割だととらえています。

日本で資産運用が浸透しなかった原因は明らかです。“失われた20年”において日本経済が成長せず、王道である「長期・積立・分散」の資産運用が、国内で主流にならなかったからです。代わりにハイリスクの金融商品を短期売買する手法が広がり、一般の人にとって、資産運用は近寄りがたいものになりました。

「長期・積立・分散」で成功体験を

世界に目を向けてみれば、機関投資家や富裕層の間では「長期・積立・分散」を軸とした資産運用がスタンダード。こうした世界水準の資産運用は、ロボアドバイザーに形を変えて、欧米の若い世代にも広がりつつあります。

「長期・積立・分散」の資産運用が王道とされているのは、長期の視点を持つことで一時的な金融危機を乗り越え、継続して積み立てることで相場の変動をうまくつかまえられるからです。株式や債券、不動産など世界中のさまざまな資産をバランスよく組み合わせるので、相場が変動するときのリスクもある程度吸収できます。

ロボアドバイザー「ウェルスナビ」は、働く世代の資産形成を手助けするツール
※画面はイメージです。

日本で働く世代が資産作りを考えるときにも、「長期・積立・分散」の資産運用は合理的な選択だと言えるでしょう。ウェルスナビは、お客様一人ひとりがどれだけリスクをとれるかに応じてポートフォリオ(資産の組み合わせ)を作り、ETF(上場投資信託)を通じて世界全体に幅広く分散投資します。

テクノロジーの進化により、プライベートバンクが提供してきたようなサービスが広く一般に使えるようになりました。簡単な質問に答えて運用プランを決め入金すると、あとはすべて自動で取引が進むので、忙しい人でも隙間時間で資産運用ができます。ウェルスナビを使い、日本で働く世代にも10年後、20年後に成功体験をつかみ取ってもらいたいのです。

ロボアドバイザー「ウェルスナビ」は、働く世代の資産形成を手助けするツール
※画面はイメージです。

17年5月、“おつり”で資産運用ができる「マメタス」をリリース。クレジットカードで買い物をしたときにおつりが出たと見立て、一定額に達すればウェルスナビが運用します。

「投資に興味はあるけれど一歩を踏み出せない」という人に向けて作った
※画面はイメージです。

マメタスは、少額から資産運用を経験できるツールです。レストランでの食事、家族との休日の買い物……。暮らしの中でコツコツとおつりを積み立てながら、「長期・積立・分散」の資産運用がどんなものか、自然とわかるように設計しています。

運用する資金こそ少額ですが、ETFを通じて世界中のさまざまな資産に分散投資していることには違いありません。相場が動けば資産価格も変動します。おつりであれば「財布から一度出したお金」と考えることもできるので、変動を落ち着いて見守ることができます。

世界経済は中期的に成長しているわけですから、一時的に資産価格が下がっても、待っていれば相場は上向いてきます。こうした経験の積み重ねは、「わからない」「怖い」という心理的な壁を乗り越え、本格的な資産作りを考える土台となるはずです。

「投資に興味はあるけれど一歩を踏み出せない」という人に向けて作った
※画面はイメージです。

ITや金融より大切なこと

ウェルスナビは預かり資産・運用者数とも着実に成長。社員のうち約半数がエンジニアかデザイナーです。

ウェルスナビはこれまで日本になかった「ものづくりする金融機関」。最先端のテクノロジーと金融の専門知識をアップデートし、つねに世界水準のサービスであろうとしています。

ゆくゆくはウェルスナビを、日本における新しい「金融インフラ」として育てたいと考えています。鉄道や郵便、水道といったインフラは、一部の人だけが使えるものではなく、どこに住んでいてもどんな人でも使えます。資産作りを考える誰もが、使いたいときに安心して使える存在になりたいのです。

そのためにいちばん大切なのは、職業倫理です。専門家集団である金融機関と一般のお客様との間には圧倒的な情報格差があります。お客様にとって可能な限りわかりやすいサービスを提供し、お客様の疑問一つひとつに丁寧に答えていく。誰もが安心して使える透明性の高いサービスであるために、ウェルスナビは日々進化していかねばならないのです。