コラム

[CEO柴山より]相場の下落に不安を感じていらっしゃる方へ

[CEO柴山より]相場の下落に不安を感じていらっしゃる方へ

こちらは、2025年4月5日に配信したWealthNavi Newsletterと同一内容となります。

4月3日に、米トランプ大統領が新たな関税を発表し、その直後から、金融市場で混乱が続いています。

新たな関税は、発表前の予想をはるかに上回る大規模なものです。例えば、米国に輸出される日本製品には、24%もの関税が課される予定です。米国を中心に景気が悪くなるという不安から、株価が大きく下落しています。また、新たな関税は、自由貿易の理念と仕組みを根底から覆すものです。世界経済への影響を見通すことが難しく、混乱はしばらく続く見込みです。

このような状況で、不安に駆られている方も多いのではないでしょうか。今日、お伝えしたいのは、相場が不安定で混乱が続くこのような時こそ、「長期・積立・分散」の基本に立ち返るべきだということです。

第1に、10年、20年かけて資産を増やしていくという長期的な視点が重要です。

過去20年を振り返ってみますと、リーマン・ショックやコロナ・ショックなどの危機が何度もありましたが、「長期・積立・分散」による資産運用はこうした危機をすべて乗り越えることができました。このため、新たな関税がこのまま実施され、仮に状況がさらに悪化して金融危機が発生したとしても、そのダメージは、10年後、20年後に振り返ってみると限定的だと言える可能性が高いと考えています。

第2に、相場の急な変動に備え、様々な種類の資産に分散して投資することが大切です。

例えば、今年1月1日から4月3日までの間に米国の株価指数S&P500が8%近く下落した一方、米国債券や金の価格は反対に上昇しました(※1)。いろいろな種類の資産を組み合わせておくことで、ショックを和らげることができます。ウェルスナビではそのような分散投資を自動化して提供しています。

第3に、相場が不安定な時こそ積立の効果が発揮されやすくなります。

例えば、2008年1月から3年間のS&P500の推移を見ると、リーマン・ショックで約半分に下落した後、元の水準に戻りました。この間に積立で投資をしていた場合、資産は約23%増えた計算になります(※2)。株価が元に戻るだけで利益が生じた理由は、株価が下がっている間に積立で割安で購入できていたからです。

下落前の水準まで回復しただけでも評価額がプラスに

相場が不安定な時、私たちも不安な気持ちになり積立をやめたくなります。しかし、直感に反するかもしれませんが、そのようなときこそ、積立を続けるメリットがあります。

米国の新たな関税が発表され、金融市場では混乱が続いています。しかし、私たちを含む多くの人々の努力と協力によって、今回の混乱を乗り越えていけるはずです。そして、中長期的にはテクノロジーの進歩や人口の増加によって世界経済は成長し続けていくと考えられます。

そのように考えるならば、世界経済の中長期的な成長をリターンの源泉とする「長期・積立・分散」の資産運用は、今後も有効であり続けます。10年、20年という長期的な視点で、様々な種類の資産に分散投資し、積立を続けていきましょう。私たちウェルスナビは、そのお手伝いを、これからも続けてまいります。

ウェルスナビCEO・柴山和久

※1 ドル建て。S&P500と米国債券は配当込み。
※2 S&P500指数(配当込)に対して、2008年1月から2011年1月まで毎月500ドルをつみたて投資した場合の資産増加率(ドル建て)。

コラムに関する注意事項
本資料の情報は、公開日時点のものです。公開日時点で一般に信頼できると思われる情報に基づいて作成していますが、情報の正確性や完全性を保証していません。当社は、新しい情報や将来の出来事その他の情報について、更新又は訂正する義務を負いません。
本資料は断定的判断を提供するものではありません。最終的な決定は、お客様自身で判断するものとし、当社はこれに一切関与せず、一切の責任を負いません。
本資料に基づいて被ったいかなる損害についても、当社は一切の責任を負いません。

人気記事ランキング

ランキングをもっと見る

関連記事

カテゴリーから探す