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資産運用の守りと攻め②~「コア」でじっくり育てる~

資産運用の守りと攻め②~「コア」でじっくり育てる~

前回のコラムでは、資産運用に「コア・サテライト戦略(運用)」という考え方があることを紹介しました。今回は、その詳細を見ていきます。

「守り」と「攻め」に分けて組み立てる

コア・サテライト戦略とは、保有する資産をコア(中核)とサテライト(衛星)に分けて運用しようという考え方です。

一般的に、コア部分ではリスクを抑えた資産運用を意識し、サテライト部分ではより高いリターンを求めて積極的に運用します。コアは「守り」、サテライトは「攻め」の資産運用と言い換えることもできます。

コア・サテライト戦略の主なポイント

コア・サテライト戦略の主なポイント

コアの部分は、長期目線(できれば10年以上)でじっくりと資産の成長を狙います。このため、相場を見ながら売買する必要はありません。

また、リスクを抑えるために、株や債券などに分散投資をします。ウェルスナビのおすすめする「長期・積立・分散」がまさに当てはまります。

ちなみに、ここでいうコアには預貯金を含みません。現在の低金利環境では、銀行にお金を預けてもほとんど利息が付かず、物価上昇によってむしろ実質的な価値は目減りしていってしまいかねないからです(※1)。

「攻め」の目安は全体の3割以下

長期目線のコアに対して、「攻め」のサテライトは投資期間を半年から1年程度で考えます。短期的な値動きからリターンを狙うため、市況を見ながら機動的に売買することになります。投資対象としては個別株のほか、値上がりが期待できるテーマを対象とした投資信託(※2)などが候補になります。

サテライトの資産運用をする場合には、仮に損失が出ても資産全体に大きな影響が出ないよう、事前にルールを設けておくことが大切です。

まず、サテライト部分の資産運用は全体の一部にとどめます。目安としては、コアが70%以上、サテライトは30%以下にしておきましょう。

また、投資する商品ごとに、「いくらになったら売却するか」も決めておきます。購入時点よりも値下がりし、もう回復が見込めないと判断して売却する「損切りの売り」だけでなく、利益確定の売りについても同様です。

将来に備えるならコアだけで十分

このように、サテライトは何かと手間がかかります。中途半端に手を出すと失敗につながりかねないので、仕事やプライベートが忙しくて時間がないという人や、自分でできるか自信がないという人は、無理にやる必要はありません。

資産運用の中心に据えるべきは、あくまでもコア部分です。老後などの将来に備えるため、安定的に資産運用を行いたいのであれば、コアだけで十分です。

自らの目的などと照らし合わせて、どのような資産運用がふさわしいのかを考えてみると良いでしょう。

  • 2023年7月25日時点で、大手の銀行に100万円を定期預金した場合、1年間に受け取れる利息は20円(税金を考慮せず)、金利は年0.002%です。一方、総務省の消費者物価指数をみると、2023年7月は変動が大きい生鮮食品を除いた指数が前年同月比3.3%上昇しています。
  • 投資信託とは、たくさんの投資家から集めたお金を1つにまとめて、専門家がさまざまな株式や債券などに投資をする商品です。お金を出した、つまり投資信託を購入した投資家には、運用成果が還元されます。資産運用における代表的な商品の一つです。
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