ウェルスナビは世界中の資産に分散投資をしているため、為替レートの変動は円建てのリターンに影響を与えます。しかし、ウェルスナビで資産運用を続けていくうえで、為替レートの変動を過度に気にする必要はありません。運用の成果を決める最も重要な要素は、世界経済の成長による資産の成長であり、為替レートの変動ではないからです。
円建てリターンは為替の影響だけで決まるわけではない
ウェルスナビでは、円建てと米ドル建ての両方でリターンを表示しています。ウェルスナビは世界中の資産に分散投資をするにあたり、世界の経済取引において基軸通貨となっているドル建てで資産を増やすことが重要と考えていますが、多くの方にとって気になるのはより身近な円建てのリターンだと思います。
ウェルスナビの円建てリターンは、為替レートの変動による影響だけで決まるわけではありません。円建てリターンは、①資産の成長、②為替レートの変動による影響という2つの要因に分けて考えることができます。このうち、資産の成長は、ドル建てのリターンを見ることで把握できます。
資産の成長に為替の影響を加味したものが円建てリターン(イメージ図)
たとえば、為替レートの変動による影響がマイナスだったとしても、資産そのものの価値がそれ以上に上昇すれば、円建てリターンはプラスになるということです。
ウェルスナビの円建てリターンには資産の成長が大きく寄与
次に、ウェルスナビの円建てリターンには、資産の成長と為替レートの変動による影響がそれぞれどの程度あるのかを見てみましょう。それを示したのが下のグラフです。
ウェルスナビのリターンには資産の成長が大きく寄与している
2016年1月のサービス開始時に100万円を入金し、2025年9月末まで運用を続けた場合のリターンの要因分解(積立なし、円建て、リスク許容度3)
※ 当該運用パフォーマンスは過去データに基づき計算されたものであり、将来の運用成果等について示唆・保証するものではありません。(前提条件はこちら)
お客様ごとに運用状況は異なりますが、ここでは2016年1月のサービス開始時に100万円を入金し、リスク許容度3でその100万円を運用し続けたとします。この場合、直近の2025年9月末に円建ての評価額は約267万円になったことになります。
運用によって得られた円建てリターン約167万円の要因を分解すると、資産の成長の寄与分が約112万円、為替レートの変動による寄与分が約55万円でした(※1)。
この結果からは、ウェルスナビの円建てリターンには資産の成長が大きく寄与していることが見て取れます。
世界経済の成長によって資産の価値が上昇した
ウェルスナビの資産運用では、世界中の株式や債券、不動産などに幅広く分散投資をします。これは実質的に「世界経済全体」に投資していることを意味します。したがって、ウェルスナビにおける資産の成長とは、世界経済全体の価値が高まること、つまり世界経済の成長によって得られると言うことができます。
リターンの源泉は世界経済の成長
実際、過去30年間を振り返ると、世界経済は約4倍に成長しました。
世界経済は過去30年間で約4倍に成長
※ IMF「世界経済見通しデータベース」をもとに当社作成(2023年4月)
このような世界経済の成長こそが、先ほどお見せしたウェルスナビのリターンの源泉となっていたのです。
世界経済は今後も成長が期待できる
では、世界経済の成長はこの先も期待できるのでしょうか。
今後も世界経済は成長するかどうか
※ IMF「世界経済見通しデータベース」をもとに当社作成(2023年4月)
まず、世界全体を見ると、今後も人口は増え続けます。日本だけを見ると、2008年をピークに人口は減少に転じましたが、世界の人口は2008年から2024年までに約13億人(約1.2倍)増加しました(※2)。
さらに、テクノロジーの力によって、一人当たりの労働生産性は高まることが予想されます。テクノロジーが進化することで、一人ひとりが生産できるモノやサービスの価値は高まっていくはずです。
もしも人口が減ったり、一人当たりの労働生産性が低下したりしたら、世界経済はこれまでのようには成長せず、場合によっては停滞することもあるかもしれません。しかし、人口が増え、テクノロジーによって生産性も高まるのであれば、世界経済は今後何十年もの間、成長を続けると考えるのが合理的です。
このように、中長期的に世界経済が成長を続けるという前提に立てば、中長期的に資産価値の上昇が期待できるでしょう。
為替の変動を気にせず淡々と続けることが大切
ウェルスナビの資産運用において狙うべきリターンは、世界経済の成長を源泉とする資産価値の成長によるものです。短期的には増えたり減ったりを繰り返しますが、淡々と運用を続けることで、中長期的に向上が期待できます。
一方、為替がこれからどう動き、円建てリターンにどの程度の影響を与えるのかを予測するのは難しいことです。なぜなら、為替は各国の物価や中央銀行の金融政策、政治に加えて、海外での戦争や自然災害などあらゆる影響を受けるからです。
ウェルスナビの資産運用においては、為替の変動を予測して行動を変える必要はありません。為替の変動が心配だからといって資産運用を中断したり、入金を先延ばししたりすると、世界経済の成長による恩恵を受けられなくなってしまう可能性があります。それはもったいないことです。
とはいえ、「どうしても為替の影響が気になってしまう」という方もいると思います。そのような方は、ぜひ積立投資をご活用ください。積立投資を活用することで、為替の影響をある程度やわらげることができるからです。
次回のコラムで詳しくご説明します。
※1 この期間中のドル円相場は、1ドル=約120円から1ドル=約148円に円安ドル高が進みました。
※2 総務省統計局「世界の統計2024」によると、世界の人口は2008年の68億人から2024年には81億人に増加、2050年には97億人に増加する見込みです。
※ 運用パフォーマンスの前提条件は以下の通りです。
・サービス開始日(2016年1月19日)に100万円を投資
・「ウェルスナビ」のリスク許容度3の推奨ポートフォリオに投資していた場合の2025年9月末時点まで運用パフォーマンスを基に作成
・パフォーマンス計算では現金比率を2%としており、手数料は現金部分を除く預り資産に対して年率1%(税込1.1%、ただし消費税率は時期により適用される税率を適用)を日々のリターンより日次で控除
・追加投資はせず、分配金は権利落ち日に同資産に再投資
・半年ごとのリバランス実施を想定
・分配金やリバランス時の譲渡益にかかる税金は考慮していない
・手数料によるリターンのマイナス寄与分は「ドル建てリターン」に含まれる
あわせて読みたい
- コラムに関する注意事項
- 本資料の情報は、公開日時点のものです。公開日時点で一般に信頼できると思われる情報に基づいて作成していますが、情報の正確性や完全性を保証していません。当社は、新しい情報や将来の出来事その他の情報について、更新又は訂正する義務を負いません。
本資料は断定的判断を提供するものではありません。最終的な決定は、お客様自身で判断するものとし、当社はこれに一切関与せず、一切の責任を負いません。
本資料に基づいて被ったいかなる損害についても、当社は一切の責任を負いません。






























