コラム

入出金するときに「為替」はどの程度気にすればよいか?

入出金するときに「為替」はどの程度気にすればよいか?

お客様より「なるべく円高になるのを待って投資したらよいのか?」「円安のうちに利益確定の売却をすべきか?」というご質問をいただくことがあります。それに対し、ウェルスナビとしては「為替レートを気にしすぎずに投資し、淡々と運用を続けること」をおすすめしています。今回はその理由についてご説明します。

為替レートの先行きを当てるのは困難

たとえば現在の為替レートが1ドル=150円だった場合、そこから1ドル=130円に動くことを「円高(ドル安)」といいます。反対に、1ドル=170円に動いたら「円安(ドル高)」です。

円高・円安の仕組み

円高・円安の仕組み

ウェルスナビのように、世界中の株式や債券などに投資する場合、ドルなどの外貨を安く買える円高のときに購入し、ドルなどの外貨が高く売れる円安のときに売却するのがリターンを高めるコツだと思っている方がいるかもしれません。

株価などの変動を考慮せず、為替レートだけで円建てのリターンを考えた場合、理屈としてはその通りです。しかし、為替レートの先行きを実際に言い当てることはとても難しいことです。

待ちすぎて投資するタイミングを逃がすことを避けるべき

入金する際、円高になるのを待ったとしても、実際には円安方向に動いたり、為替が動かなくても株価が上昇してしまうことがあります。そのため、結局は今より不利な時期に投資をしてしまったり、ずっと投資できない可能性があります。

為替の動きを予想してリターンを狙うのは難しい

ドル円為替レートの推移(2021年1月29日~2024年1月31日)と投資タイミングのイメージ

為替の動きを予想してリターンを狙うのは難しい

※Refinitivのデータに基づき当社作成

もし期待した通りに円高になったとしても、「まだまだ円高が進むのではないか」と考えているうちに円安に戻ってしまい、投資するタイミングを逃すというのもよくある話です。相場を見極めようとするのではなく、早めに余裕資金を投資にまわしていくことが大切です。

利益確定後に為替が予想通り動くとは限らない

同じことは、円安のうちに利益確定の売却をした場合にも起こり得ます。

利益確定をした後、タイミングをみて再投資しようとする方は多いでしょう。その際、円高になったら再投資しようと考えていたとしても、予想に反してさらに円安方向に動いてしまうかもしれません。また、為替が動かなくても、株価が上昇することもあります。このような場合には、売らずにおけば得られた利益を取り逃がすことになってしまいます。

もしも予想が当たれば利益を得られるかもしれませんが、不利な時期に再投資することになったり、ずっと再投資をできない可能性もある点には、注意が必要です。

為替の変動に対しては、「積立投資」が有効な投資手段

「今後の円高が心配で投資に踏み切れない」ということであれば、一度に投資するのではなく、複数回に分けて投資する「積立投資」が有効です。投資した後に為替が円高に動いた場合も「有利に追加投資できるチャンスがきた」と思うことができ、心理的なハードルを下げることができるのではないでしょうか。

積立投資で短期的な為替変動の影響を抑えられる

毎月同じ金額を投資し続けた場合のイメージ図

積立投資で短期的な為替変動の影響を抑えられる

ウェルスナビには自動的に毎月一定額を銀行口座から引き落として投資を行う「自動積立機能」があります。毎月の入金の手間もかからず、時間の経過とともに少しずつ崩れてゆく資産配分を最適な状態に戻すリバランス効果もあります(特許取得済)。相場動向を見て躊躇してしまうことなく着実に投資額を積み上げるために有効な機能です。

短期的な相場を読むのではなく、淡々と続けることが大切

為替が大きく動くと、「今後は反対の方向に動くだろう」などと予想して行動を変えたくなることがあります。しかし、ウェルスナビでは特定の見通しに賭けるのではなく、淡々と投資を継続することが重要だと考えます。

たとえば、あなたが「これから円高になるだろう」と予想しているとしたら、その理由は何でしょうか。

ぜひ知っておいていただきたいのは、為替は各国の物価や中央銀行の金融政策、政治に加えて、海外での戦争や自然災害などあらゆる影響を受けるということです。投資のプロと言われる人たちは、為替に影響を与える膨大なニュースを追い掛け、それらの情報を詳細に分析しています。しかし、そこまでしても、現実には想定外のことも多く起こり、予想とは異なる結果になることが多々あります。

ウェルスナビが提供する分散投資は、世界中の株式や債券などへの投資を通じて、世界経済の成長とともにお客様の資産が長期的に成長してゆくことを目指します。そこで期待されるリターンは、10年単位で見るとプラス数十%やさらに高い水準です(もちろん投資なので逆にマイナスとなる可能性もあります)。投資のタイミングを読んで得られるかもしれない数%のリターンの差(プラスかもしれないしマイナスかもしれません)は、時間の経過とともに相対的に小さくなってゆくでしょう。

数日や数ヶ月先の相場動向を予想することは、短期売買を行う場合には重要かもしれません。しかし資産をじっくり育てる長期投資においては不要です。

為替に限らず、長期投資では相場を読む必要はない

短期投資と長期投資で狙うリターンのイメージ図

為替に限らず、長期投資では相場を読む必要はない

短期的な相場動向にとらわれずに、早めに余裕資金を投資にまわし、淡々と運用を続けることで、長い目でリターンを狙いましょう。

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