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下げ相場での資産運用はどう考えればいい?

下げ相場での資産運用はどう考えればいい?

資産運用を続けていると、大きな相場変動に出くわすことがあります。相場が下げ続けたときには、不安を感じて、資産運用をやめたほうがいいのではないかと考えることがあるのではないでしょうか。今回のコラムでは、このような下げ相場では、資産運用をどう考えればいいかお伝えします。

まず、1990年からの世界全体の株(世界株※)のパフォーマンスをご覧ください。

世界株のパフォーマンス(配当込、ドル建て)

世界株のパフォーマンス(配当込、ドル建て)

(注)「株価が下がっていた時期」は世界株の価格が直近の最高値から20%以上下落した時期とし、それ以外を「株価が上がっていた時期」としています。

相場は上げ下げを繰り返してきた

株価は上げ下げを繰り返しながら、上昇してきました。しかし、この間に20%以上の下落が何度もありました。下落の期間は2カ月程度のこともあれば、2年半続くこともありました。

相場がいつ上昇に転じるのか正確に予測することは、困難です。下げ相場の最中には、「このまま値下がりが続いて、運用資産が目減りしていくのではないか」と不安に感じるのが自然です。

では、下げ相場で資産運用をやめたほうが良いのでしょうか?長期の資産運用では、下げ相場はむしろ投資のチャンスだったと考えることもできます。

下がったときに買った資産は、相場が回復するとプラスのリターンになる

リーマン・ショック後を例に見ていきます。相場は2008年後半に何度も急落を繰り返しながら下落しました。当時、保有していた方は、とても不安に感じたと思います。しかし、2009年3月に底を打った後は急落前の水準を超えて大きく上昇しました。

リーマン・ショックが起こった2008年以降の世界株の値動き

リーマン・ショックが起こった2008年以降の世界株の値動き

相場が下がったときに買った資産は、相場が回復するとプラスのリターンになります。相場が下がったときに買った資産は、回復したあとから見れば、安く買えたことになるからです。

リーマン・ショック後の相場が下がっているときに資産運用をやめたら、その後の回復と成長で生まれた大きなリターンを得ることはできませんでした。

ただし、相場の下落はいつどのくらいの大きさで起き、どこで底を打って回復するかは分かりません。底値で買おうと思っても、正確に予測するのは難しいものです。積立投資などで、どのようなときでも続けることが大事です。

資産運用を始めたばかりでマイナスになっても、失敗ではない

それでも、資産運用を始めたばかりのときは、リターンがマイナスになると特に不安を感じると思います。

ここまで見てきたことから言えるのは、下落相場は必ず終わり、その後に大きく上昇してきたということです。そして、下落時に買った資産は後から見れば、安く買えたことになります。

ごく短い期間では、プラスもマイナスも、どちらも同じくらいの確率で起こると考えられます。短期で成果が出ないことは失敗ではありません。短期的なマイナスのリターンを受け容れることで、長期で資産を大きく成長させることを狙うのが「長期・積立・分散」の資産運用です。

「利益確定」はもったいない

資産運用を始めてしばらくは相場が上昇し、プラスのリターンとなっている場合でも、下落相場での考え方は同じです。

相場が下がってくると、リターンがプラスのうちに利益を確定しておいたほうがいいのではないかと考えるのは自然なことです。しかし、資産を売却した後に上昇した場合、リターンを得ることができなくなります。

WealthNaviは、世界約50カ国・1万2000銘柄以上(2022年3月時点)への分散投資によって、世界経済の成長の恩恵を着実に得ることを狙っています。

株などの価格は短期的には上下を繰り返しますが、長期で見ると世界経済の成長とともに今後も伸びることが期待できます。つまり投資し続けることで、中長期的にリターンが得られる可能性が高くなります。

これまで、長期の資産運用を続けていればリターンは大きくプラスになりました。ですから、「利益確定」で長期投資を止めてしまうのはもったいないことです。下げ相場で不安を感じるときでも、淡々と運用を続けていきましょう。

※世界全体の株価の動向を表す代表的な指数である「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(MSCI ACWI、配当込み)」を使用。期間は1990年1月〜2022年1月末

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