ウェルストーリーとは
働く世代がお金の悩みから”一歩踏み出す”未来を応援するコーナーです。
※相談事例は、よくあるお悩みをもとにしたフィクションです。



退職届を出した後、いろんな書類を渡されたのだけど…健康保険とか、企業年金とか、いろいろあるんだな…(ため息をつく)

やあ!会社を辞める時って、いろいろ手続きがあるよね。

わっ!(こないだのは幻じゃなかったんだ…)

今回は、退職する時のお金まわりの知識を紹介するよ!
退職する際の手続きは、さまざまな制度にまたがるため、すべてを把握するのは大変です。
今回は、退職日から間を空けずに次の会社で働く場合を前提に、退職後の手続きの全体像と、会社から受け取る必要書類を解説します。
目次
- 厚生年金、健康保険の手続き
- 企業年金、財形貯蓄の手続き
- 中途退職の時に「退職金」は受け取れる?
厚生年金、健康保険の手続き

じゃあ、書類を一つずつ見ていこうかな…年金と健康保険の切り替え、だって。

退職から次の職場に行くまで、一日でも間が空くと大変なんだけど、今回は特に大きな手続きはなさそうだね。詳しくみていこう。
まずは、公的年金の切替について説明します。
日本の公的年金制度は「国民年金」と「厚生年金」の2種類があります。相談者さんは会社員で、次の就業先でも会社員のため、「第2号被保険者」のままです。
今回のように、間を空けずに次の会社に転職する場合(例えば、月末退職して翌月すぐに再就職する場合など)は、切り替え手続きは不要です。
ただ、次の会社に提出する必要があるため、年金手帳を勤務先に預けている場合は返却してもらいましょう。2022年4月1日以降に公的年金に初めて加入する人には、年金手帳の代わりに「基礎年金番号通知書」が発行されています。こちらは、原則として自分の住所に郵送されるため、保管しておいてください。いずれも、次の会社に提出の必要があるかなど、人事担当者に確認しましょう。

次に、健康保険についてです。
退職すると、勤務先で加入していた健康保険の被保険者資格を失います。間を空けずに次の会社で働く場合は、新しい会社の健康保険に加入することになります。
2025年12月2日以降は、健康保険証が廃止され、マイナンバーカードに保険証機能をもたせた「マイナ保険証」に切り替わりました。
転職先では、基本的には新しい健康保険証は発行されません。健康保険に加入した後は、そのままマイナ保険証を医療機関や薬局で使えるようになります。
マイナ保険証を持っていない方は、勤務先で「資格確認書」の交付手続きをしてもらう必要があります。手続きに時間を要する場合があることに注意しておきましょう。
転職先の健康保険に加入する際は、前の会社の「健康保険資格喪失証明書」が必要になる場合があります。退職する会社に、発行を依頼しておきましょう。
企業年金、財形貯蓄の手続き

企業年金とか、財形貯蓄も入ってるんだった…

ちょっと書類を見せてみて…なるほど。DBとDC、財形貯蓄制度と、持ち株会に入ってるんだね。
公的年金に上乗せする私的年金制度を導入している会社もあります。
相談者さんの勤務先は、以下の2つの制度に加入しているようです。
- 確定給付企業年金(DB)
- 企業型確定拠出年金(DC)
これらの年金を退職時に受け取れるのは、定年退職や長期勤続の場合がほとんどです。相談者さんの場合は、一部を「一時金」として受け取るか、次の会社に「持ち運ぶ」ことになります。
退職する会社と次の会社によって持ち運べるかどうかは異なりますので、それぞれの会社の担当者に確認しましょう。
「DC」の手続きについては、こちらの記事で詳しく解説します。
また、財形貯蓄制度に加入している場合は、転職時に手続きが必要です。
次の会社で財形貯蓄制度が導入されていれば、書類を提出することで引き続き継続できます。次の会社に制度がない場合は、解約することになります。
従業員持株会に入っている場合は、転職時に退会することになります。退会手続き後は、原則として、保有する株式を個人の証券口座に移し、継続して運用するか売却するかを選びます。
中途退職の時に「退職金」は受け取れる?

退職金って、受け取れるのかな?

気になるよね。退職時にどのくらい受け取れるのかも見ていこう。
退職金制度は法律で義務付けられているものではないため、会社によってはない場合もあります。退職金制度がある会社は約7割で、制度の内容は会社によって異なります(※1)。
このため、ご自身で就業規則などを調べる必要があります。
相談者さんの場合は、会社で準備している「退職一時金」のほか、DBの「脱退一時金」を受け取ることになるようです。
計算方法は、会社によって異なります。
経団連が大企業を中心に調査した結果によると(※2)、「賃金」に連動する形ではなく、「ポイント制」をとっている企業が多いようです。
「ポイント制」では、勤続年数や在職中の役職、人事考課などの要素を毎年ポイント化し、退職時の累計に、一定の単価を掛け合わせて算出します。
また、退職金を受け取るには、勤続3年以上など、一定期間会社に所属しなければならないケースも多いようです。
タメ息さんのワンポイントアドバイス
退職金に税金がかかるって本当?
退職一時金を受け取る際にも、所得税・住民税がかかります。
ただ、長年勤務した報酬でもあるので、勤続年数に応じて負担が軽くなるよう「控除」(税金を差し引く)の仕組みがあります。
相談者さんの場合は、勤続年数は20年以下で、控除額よりも少ない額の退職金となる見通しなので、税負担は気にしなくてもよさそうです。


今まで入ってたいろんな制度が洗い出せた感じがする!財形貯蓄も、先輩にすすめられてなんとなく始めたなあ。退職金もあまり期待できないし、老後資金も自分でつくらないといけないって実感してきた…これからちゃんと考えないとなあ。

ぜひ、この機会にいろいろ学んでいこう!(消える)

(ただのため息なのに、なんでこんなにお金に詳しいんだろう?)