ウェルストーリーとは
働く世代がお金の悩みから”一歩踏み出す”未来を応援するコーナーです。
※相談事例は、よくあるお悩みをもとにしたフィクションです。



久々に前の職場の同僚に会って、「福利厚生ってどう?」って聞かれたけど…結構変わったんだなって実感してきたよ。

どうしたの?

たとえば、健康保険組合の制度とか。これを機にいろいろ知っておきたいなと…
転職をすると、給与だけでなく福利厚生も大きく変わる可能性があります。
特に注目したいのは、各企業が加入している健康保険組合の制度です。組合によっては、法律で定められた保障に加えて、独自の「手厚い保障」を提供していることがあります。
たとえば、医療費の自己負担額をさらに少なくしてくれる制度や、万が一のことがあった場合の遺族年金など、会社ごとにさまざまな「付加給付」があります。
勤務先の従業員規模が変わる時は、特に注意が必要です。これまでの保障が縮小する可能性もあるため、ご自身の保険や保障内容を見直すタイミングになります。
目次
- 医療保険は誰しも「ベース」がある
- 転職は保険の見直しタイミング
- 貯蓄型の保険はどう?
医療保険は誰しも「ベース」がある

健康保険組合が変わると、たとえば医療費の保障とかなくなっちゃうのかな?

なくなるわけではないよ!まずは公的な保障と、健康保険組合で上乗せしている保障について、みていこう。
日本では、すべての国民が何らかの公的医療保険に加入し、お互いの医療費を支え合っています。これを「国民皆保険制度」といいます。たとえば、会社員の場合は健康保険組合や協会けんぽに、自営業の場合は国民健康保険に加入しています。
毎月の給与明細を見ると、「社会保険料」が差し引かれているのが確認できます。この一部が、公的医療の保障に回っていると考えてください。
こうした健康保険料を支払うことで、病気やけがの際に公的保障を受けられます。

たとえば、医療機関の窓口で保険証を出すと、70歳以下の現役世代は、医療費の自己負担が3割になります。急な入院や手術などで、1か月の医療費の自己負担額が高額になった場合、所得に応じて決まっている上限を超えた分が払い戻される「高額療養費制度」もあります。
健康保険組合によっては、この公的な保障に加えて、独自の「付加給付」を提供している場合があります。
たとえば、次のような制度があります。
- 高額医療費補助:公的な高額療養費制度で定められた自己負担上限額が、さらに引き下げられる
- 出産育児一時金への付加金:出産時に支給される「出産育児一時金」に、上乗せで手当金が支給される
従業員規模が小さい会社は「協会けんぽ」に加入していることが多く、付加給付はほとんどありません。一方、従業員規模が大きい会社は独自の健康保険組合を持っていることが多く、こうした付加給付が手厚い傾向にあります。
転職をしたら、まずは新しい会社の健康保険組合が、どのような付加給付を提供しているか確認してみるとよいでしょう。

転職は保険の見直しタイミング

公的な保障はベースとしてあるってことだね。保険会社で加入した保険も入ってるけど、これはどういう扱いなの?

民間の保険だね。転職時は、見直しのタイミングだよ!
民間の保険は、公的な保障や健康保険組合の付加給付などでカバーしきれない部分を補うためのものです。
転職時には、加入する健康保険組合の付加給付の制度も確認したうえで、現在の保障内容を見直してみましょう。
結婚や出産などで家族が増えた場合には必要な保障額も変わりますし、住宅の購入時にも見直しが必要です。

例えば、住宅ローンを組むと、多くのケースで団体信用生命保険(団信)に加入します。これは、万が一のときにローン残高がゼロになる保険です。その保障内容が、すでに加入している生命保険や医療保険と重複していないか確認しましょう。保障が重複していると、同じ保障に対して二重に保険料を払っていることになります。
公的な保障を理解したうえで、自分のライフプランに合わせて、都度必要な保険を見直してみましょう。
貯蓄型の保険はどう?

なるほどねえ。そういえば、貯蓄型の保険ってどうなの?

資産運用しながら保険もつけられる商品のことだね。基本的には、資産運用と保険は分けて考えてほしいんだ。
資産運用しながら保険もつけられる商品に、興味を持つ方もいるかもしれません。
しかし、こうした「貯蓄型」の保険には、デメリットも潜んでいます。まず、資産運用と保険を一体となって管理するため、それぞれの見直しが難しいこと。さらには、保険料として支払った資金が、管理費などにまわるため、運用効率が下がってしまう可能性もあります。
このため、保険と資産運用は分けて考えることをおすすめします。
保険は万が一の事態に備えるもの、資産運用は将来の資産を増やすもの。それぞれに最適な商品を選ぶことで、保険料を抑え、その分のお金を非課税メリットのある「NISA」にまわすこともできます。

なるほどなあ。転職って、今まで「知らないけど、なんとかなるかな」と思ってた制度を理解するチャンスになるんだね。自分の頭で考えて、ちゃんと自分の足で立てる気がしてきたよ。

その通り!心強いなあ。(だんだん、ぼくの出番もいらなくなってきたかな…?)