今回紹介するのは、世帯年収800万円の40代のBさんご夫妻。Bさんは福祉業界、奥様は金融業界にお勤めで、2歳のお子さまの3人で賃貸マンションにお住まいです。そんなBさんのご家庭では、家計管理・保険・資産運用についてどのような取り組みをされているのでしょうか。
「資産運用の第1歩を踏み出したきっかけ」「どうやって資産を築いたのか」「将来をどのように考えているのか」をインタビューしました。
家族カードを活用して家計管理を仕組み化

ーーどのような方法で家計管理を行っていますか?
夫婦のどちらが使っても同じ口座から引き落とされる仕組みの家族カード(クレジットカード)を活用して家計管理を行っています。月末にカードの明細を表計算ソフトに移して、それぞれの給与から、収入に応じて分担しています。負担する割合は、妻が時短勤務で収入が低くなった時期は私の方が多めに負担したり、一緒の時は半々にしたりとその時々に応じて変えています。
ーー家賃などの分担はどうされているのですか?
家賃は引き落としですが、他の生活費と同じように二人で割っています。家賃、食費、光熱費、携帯代、サブスクなど家族として使うものはすべて按分しています。友人と飲みに行った時の飲食費など、個人の支出に関してはお互い何に使っているのか把握していません。お互い信用しているので、そこは特に気にならないですね。
ーー上手に仕組み化されているのですね。その分担はいつからですか?
同棲を始めた頃からですね。最初は現金を一つの財布に入れて持ち歩いていました。
ただ、出かけるときに財布を忘れたり、同じタイミングで別々で買い物をしたりとかもするので「合理的じゃないね」となり、今の方法に落ち着きました。
家族カードを使うと、同じところに明細が集まるので、とても便利です。もともと金銭感覚に大きな乖離はなかったので、特に揉めることなどはなかったですね。
ーー教育費や老後資金などの貯蓄に関してはどのように取り組まれていますか?
毎月、夫婦それぞれ2~3万円ずつ貯蓄に回しています。先に貯蓄したいお金を差し引く「先取り貯蓄」ではなく、残った分を回す形ですが、ほぼ毎月できているので順調だと思います。貯蓄に関しては、妻主導で行っています。
私は、お金があったら使ってしまうタイプなので。そういえば通帳を見たこともなかったですね。
子どもが生まれて家計管理の意識が高まった
ーー家計管理の意識が高まったきっかけなどはありましたか?
子どもが生まれたことですね。
子どもの食費、医療費、塾や大学などの教育費とシンプルに出費が増えるので「親としてちゃんとしないと」という感覚になりました。
お金を貯めたりしていかないと、子どもを自由にしてあげられないなと。
ーーお子様が生まれてから具体的にどのような変化がありましたか?

そんなに大きくは変わっていないと思います。ただ、毎週飲みに行っても出費を気にしていなかったのが、飲みに行く頻度が大きく減って、金額ベースでお店選びをするようになるなど、支出の意識が高まったようには感じます。
生命保険は収入保障保険とドル建て終身保険を中心に
ーー現在はどのような保険に入っていますか?
収入保障保険と医療保険とドル建ての終身保険の3つの保険に入っています。
収入保障保険は、万が一のことがあったら、60歳まで、家族が50,000円の年金を受け取れる保険で、保険料は月13,600円です。
医療保険は、死亡保障も付いていて、入院すると5,000円もらえるものに入っています。保険料は月4,300円ですね。
ドル建て終身保険は、死亡保障が30,000米ドルで、保険料は月56米ドルです。
この3つの保険に入ったのは8年前ですね。
ーーお子さまが生まれるタイミングで保険を見直される方も多いのですが、Bさんの場合はこの8年の間で、特に見直ししようと考えられたタイミングはなかったのでしょうか?
検討はしましたが、なんだかんだ保険の見直しはしなかったですね。学資保険などを検討したんですが、調べたり聞いたりしている中で、親の頃のようなメリットは少ないということが分かったので、加入しませんでした。
保険に入ったきっかけは結婚|死亡・就業不能時の保障として保険が有用と考えたから
ーーどのようなきっかけで保険に入られたのでしょうか?
結婚をきっかけに「保険に入らないといけないのでは」と考えて、知り合いにライフプランナーを紹介してもらいました。2~3回面談をして、ライフプランニングや収入・支出とのバランスを見てもらって、必要そうな保険に加入しました。保険が必要だと考えたのは、私が死んだり働けなくなったりした場合の保障として保険が有用だと考えたからです。
ーーご結婚される前は特に保険に入られていなかったということでしょうか?
25~26歳の頃に親の勧めで、妹を受取人にした終身保険に入っていました。保険の相談窓口に行って、いろいろ希望を聞かれて入ったという感じです。(結婚を機に切り替えたので)その保険にはもう入っていないですね。
ーー先ほど8年保険を見直されていないということでしたが、今後見直される予定はありますか?
保険を積極的に見直そうという考えはないんです。正直、今回のインタビューで保険の話題が出るまで、保険の存在を忘れていたくらいです。きちんと説明を受けて、納得して入ったというのもあって、保険は一回入ったら安心という感覚を持っています。
資産運用は夫婦ともにNISAメインで
ーーお金をふやすために、Bさんのご家庭では資産運用などはされていますか?
私個人では、NISAと個別株式を行っています。
NISAに関しては、3~4年前につみたてNISAの口座開設をしたのですが、設定がうまくできず、運用できていない状態でした。きちんと運用を始めたのは新NISAになってからなので、まだ半年くらいですね。月40,000円積み立てていて、来月から積立額を45,000円に増やす予定です。株式系の投資信託がメインですね。
個別株は、トレンドニュースに合わせて銘柄を選んだり、チャートを勉強しながらやっています。4月に始めたばかりで、今は負けていますが、趣味というかゲーム感覚で楽しんでやっています。着実に積み立てる部分は、NISAを毎月45,000円やっているので良いかなと。
ーーちなみにお隣にいらっしゃる奥様はどのような資産運用を行われていますか?
私もNISAがメインで、積立投資を結婚前から行っています。株式系のインデックスファンドを中心に月50,000円ずつ積み立てています。
ーー積立系の税制優遇制度でいうと、iDeCoなどもありますが、現在はNISA一本ですか?
(二人とも)NISA一本ですね。iDeCoも検討しましたが、資金的にiDeCoもやるほどの余裕はなく、iDeCoは使い勝手があまり良くないと感じています。追加でiDeCoをやろうとか、NISAの45,000円の一部をiDeCoに回そうといった気にはならないんです。月に100万円とか自由に使えるお金が潤沢にあったら検討します。
資産運用を始めたきっかけは奥様のご友人のひとこと
ーーBさんがつみたてNISAを始めようと考えたきっかけは何ですか?
保険会社の人から新しい保険を勧められたのがきっかけでした。その時に妻から「つみたてNISAと同じ仕組みの保険だよ」と教えてもらって。手数料がNISAの方が安いと知り、つみたてNISAの口座開設をしました。
ーーそんな奥様がNISAを始められたきっかけは何だったのでしょうか?
証券会社に勤める友人から「30年後に私に感謝することになるから、つみたてNISAを絶対やっとけ」って言われたんです。主人にもかなり前からつみたてNISAを勧めていたんですけど、昔はあまり興味がなかったみたいですね。
ーーBさんは楽しんで資産運用をされている印象ですが、資産運用を始められて何か具体的な変化はありましたか?
お金の使い方が変わりましたね。「これを買わなければ、そのお金で株が買える」と思ったら、無駄遣いしなくなったというか。給与が増えて、投資に回せるお金が増えたら、投資額を増やしたいと考えていて、仕事のモチベーションにもなっていると思います。
家計管理・保険・資産運用の今後について
ーー家計管理、特に老後資金や教育資金についてご夫婦それぞれでどうしたいというお考えはありますか?
老後資金に関してはあまり悲観した考えを持っていません。今のままお互いNISAや貯蓄などに取り組めば、終身保険もあるし、大丈夫だと考えています。
教育資金については、学資保険などは考えていなくて、ジュニアNISAはなくなってしまいましたが、似たような感じで証券口座をつくって数千円ずつ積立運用するのがいいかなと夫婦で話しています。
ーー先ほど保険は積極的に見直すつもりはないとのことでしたが、こうすればもっと良くなりそうといったお考えはありますか?
今日のインタビューをきっかけに、保険内容を一度FPさんと話した方が良いんじゃないかなという淡い危機感を持ちました。保険を続ける代わりに投資額を増やすという選択肢もあると思いますし。保険を増やすことはないけれど、減らすことはあるかもしれません。
ーー資産運用に関してはいかがでしょうか?iDeCoを増やすとか投資額を増やすといったお考えはありますか?
iDeCoを増やすことは多分ないと思います。チャートを見るのが楽しいので、給与が増えたり資金が増えたりしたら、株式に投資するお金を増やしたいですね。
ウェルスガイドからのワンポイントアドバイス

Bさんは、楽しんで資産運用されていることや、将来についてご夫婦で共通したお考えをお持ちなことが素敵だなと感じました。家計管理を仕組み化して、無理なく取り組まれているのも良いですね。
Bさんのご家庭のお金事情をより良くするポイントは以下の3点です。
①保険の内容が現状に合っているか確認する
年金額5万円の収入保障保険がメインですので、保険料は比較的安く抑えられています。しかし、保険を8年間見直していないということでしたので、お子さまが誕生した今では必要保障額が不足している可能性があります。一度見直しされることをおすすめします。
②早期に教育資金の準備を始める
教育資金を目的とした積立運用を始められるなら、できる限り早めに始められることをおすすめします。
新NISAは年間で360万円(月30万円)、合計1,800万円の非課税枠があります。前述の保険の見直しや家計改善によって資金を捻出し、NISAの積立額を増額すると良いでしょう。
③資産運用の基本は「長期・積立・分散」
Bさんは個別株やFXなど比較的リスクが高いといわれる資産運用への興味関心を強くお持ちのようです。リスクを理解したうえで投資されているとは思いますが、リスクの高い投資は目安として投資資金全体の3割以下に抑え、投資の王道である「長期・積立・分散」を心がけ、リスクコントロールをしながら資産運用をしていきましょう。
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