今回紹介するのは、世帯年収1,000万円の40代のAさん。Aさんは個人で複数の企業の事業開発の仕事を請け負っているフリーランスで、ご主人と4歳の双子のお子さまの4人で持ち家にお住まいです。
そんなAさんの家庭では、家計管理・保険・資産運用についてどのような取り組みをされているのでしょうか。「資産運用の第1歩を踏み出したきっかけ」「どうやって資産を築いたのか」「将来をどのように考えているのか」をインタビューしました。
家計管理や貯蓄は夫婦各々で
ーどのような方法で家計管理を行っていますか?
口座引き落としの水道光熱費や通信費、車のローンなどは主人、食費や子どもの日用品、延長保育料、習い事など日常生活にかかる細々とした費用は私、住宅ローンはペアローンを利用して折半という分担で生活費を負担しています。
夫婦共働きということもあり、お互いの収入を正確には把握していないんですが、毎月負担している金額は同じくらいだと思います。変動費のみで月25万~30万くらいですね。
ーどのようなきっかけで現在の分担に決まったのでしょうか?
賃貸の頃から口座引き落としの書面などは、主人が自分で書いて自分でやるタイプだったので、自然とそうなりました。
固定費は負担してもらっているから、変動費は私が負担しようという流れです。食品や日用品などを買うのは私で、食材や洗剤が少なくなってきていることに気付くのも私なので、自分で気付いて買えるときに好きにやりたいと思ったという理由もあります。
ー教育費や老後資金などの貯蓄に関してはどのように取り組まれていますか?
毎月5万円貯蓄して、別で5万円を資産運用に回しています。
主人は時短勤務で会社員をしながら、副業でWEB運営などをしていて、副業の方の収入に波があるので、貯められるときに貯めているみたいです。
教育費や老後資金に充てられる貯蓄がいくら貯まっているかは共有していて、現状2,500万円くらいです。プラス500万円分くらいの投資信託も持っています。
現預金は価値が目減りしていくし、もう少し資産運用に回した方が良いのかなと思いつつも、最近、投資信託の価格が乱高下したこともあり、学費で必要な時に下がっているとなると問題なので、預貯金の割合が多くなっています。
双子がいて、同時に高校、大学と進学するので、今はある程度まとまった貯蓄がありますが、すぐに無くなってしまうんじゃないかと心配しています。
お金の使い道を自由に選べるよう保険は必要最小限で
ー現在はどのような保険に入っていますか?
私は医療保険とがん保険、米ドル建ての終身保険に入っています。それぞれの保険料は、約3,600円と2,000円、400万円の一時払いです。
主人は私と同じ医療保険と、死亡保障1,000万円の生命保険に入っています。生命保険の保険料は1,000円強です。
ー今契約されている保険に入ったのはいつですか?
結婚した時に、二人で保険カウンターに行って、FPさんに勧められた医療保険と私のがん保険と主人の生命保険に入りました。それが初めて入った保険ですね。
それからしばらくはそのままにしていたんですが、子どもが生まれて、少し落ち着いてきたので、昨年保険の見直しをしたんです。がん保険を変更して、米ドル建て一時払い終身保険を追加しました。
ー平均と比べて入られている保険が少ない印象ですが、保険を少なくしている理由などはありますか?
万が一のことが起こる確率よりも、元気に60歳70歳を迎える可能性の方が高いと考えていて、保険でなくても、預貯金など万が一の際に対応できるだけのお金があれば良いんじゃないかと考えてるからです。
保険に入れてしまうと、万が一のことがあった時の医療費などにしか使えないですが、預貯金であれば、教育費に使ったり、旅行に行ったり自由な使い道が選択できるので。
同じ理由で学資保険にも入っていません。米ドル建ての終身保険は、債券中心で運用されているものでそれを学資保険代わりにしています。
*平均値は生命保険文化センター「2021年度 生命保険に関する全国実態調査」を参照
資産運用は夫婦ともにNISAとiDeCoメインで
ーお金をふやすために、Aさんのご家庭では資産運用などはされていますか?
私はNISAとiDeCoを行っています。毎月の積立額はNISAが月4万円、iDeCoが1万円です。
NISAは時期によって金額を増やしたり減らしたりしていて、iDeCoはずっと1万円のままにしています。
NISAでは米国株式系の投資信託中心、iDeCoは株と債券が含まれたバランス型のローリスクの投資信託で積み立てをしています。
NISAを始めたのは3年前、iDeCoは会社員のころの企業年金からです。
ーちなみにご主人はどのような資産運用を行われているかご存知ですか?
主人は、iDeCoをしているのに加えて、NISA口座で個別株等を買ったり、特定口座で積立をしているみたいです。
最近株価が大きく下がりましたが、そんなイベントがあった際には、夫婦で下がったーといった話をしたりしますが、月々の積立額などは把握していないです。
ー最近の相場の話をされたとのことでしたが、お金の話はご夫婦でよくされますか?
共通の話題なのでよく話しますね。
結婚前や子どもが生まれる前などは、旅行や趣味の話などをすることも多かったですが、子どもが生まれて、家を買って…とライフイベントを重ねるうちに、どんどんお金に関係する共通の話題が増えて、徐々にお金の話をすることが多くなりました。
お互いに転職が多いのもお金について話すきっかけになっているかなと思います。転職すると収入が変わったりするので、相手に自分のその将来のキャリアの計画やお金の計画を伝える必要性が定期的に訪れるのは大きいと思います。
最近でいえば、主人は子どもが小学生になるまでは、現状(時短勤務+副業)の働き方を続けると言っていました。
私たちは共同口座もなければ、貯蓄も別々なので、お互いに気になっているから、自分のことを話して、相手の状況も教えてほしいと考えるんだと思います。
ーAさんが資産運用を始めるきっかけ、興味を持ったきっかけは何でしょうか?
600万~700万円くらい預金が貯まったので、預金だけでなく、違うこともやってみよう、増やしたいなと考え始めたのがきっかけですね。世の中的に貯蓄から投資へといわれ始めていた時期だったので、そういった雰囲気も後押しになっていたと思います。
あと、新卒の頃、投資家広報として、株式投資界隈の人と接する機会が多く、投資が身近だったというのもあると思います。
家計管理・保険・資産運用の今後について
ー家計管理、特に老後資金や教育資金について将来どうしたいというお考えはありますか?
今のお金の使い方や家計管理の方法を変える必要性は感じていないですが、金融資産における預金の割合が高いので、どうすべきか迷っています。金融資産の8割以上が現預金です。
教育資金などに絶対必要なお金もあるので、リスクを取りすぎるのも違うなと思っています。
ー保険に関してはいかがですか?
昨年見直したばかりなので、保険に関してはしばらく見直しなどは考えていません。
ー資産運用に関してはいかがでしょうか?
投資関係のお金は資産の10%ちょっとなので、少し増やしたいと考えています。
リスクを取ってリターンを狙うのは、NISAの範囲内にしておこうと思っています。個別株や不動産投資等、いろいろな投資手段があることは知っていますが、実際に自分でやってみようとすると、知識がなかったり管理しきれないなと感じる部分が大きいですので、NISAの範囲で資産運用をするのが自分ではちょうどいいのではないかと思っています。
ー最後にAさんにとってお金とは何でしょうか?
自分の生活や大事な人の人生を、よりよく支えてくれる大事な道具だと思います。
ウェルスガイドからのワンポイントアドバイス
Aさんは、どんな質問をしても、明確な返答がすぐに返ってくるので、普段からよく考えたり調べたりされているのが伝わってきました。ご夫婦でお金の話をよくされるというのも良いですね。
Aさんのご家庭のお金事情をより良くするポイントは以下の2点です。
①お子さまが独立されるまでの死亡保障を拡充させる
保険が最も必要とされるのは、子育て世帯の死亡リスクへの備えです。Aさんには小さな双子のお子さまがいらっしゃるため、Aさんやご主人に万が一のことがあった場合に、毎月の収入が大きく減ってしまうと、現在加入中の生命保険のみでは残されたご家族が、今と同程度の暮らしを維持することが難しくなる可能性が考えられます。
効率の良い死亡保障の準備方法としては、不足する毎月の生活費部分は「収入保障保険」、教育費などまとまった出費に対する保障は「定期保険」を活用するのがおすすめです。まずは、必要保障額がいくらなのかを計算し、不足分を準備しましょう。
②「長期・積立・分散」を意識して資産運用に回す割合を増やす
「金融資産の8割以上が現預金」とのことでしたので、生活予備資金を超えている部分は資産運用に回すことをおすすめします。
Aさんもおっしゃるように、教育費など使う時期が決まっているお金をハイリスク・ハイリターンの投資に回すのは賢明ではありません。資産運用の基本「長期・積立・分散」をおさえれば、リスクを抑えた運用が可能です。現在のNISAやiDeCoの枠に余裕があるようですので、活用すると良いでしょう。
お金が必要になる2年前までを目安に現金化するなど、余裕をもった運用を心掛けてましょう。
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