今回紹介するのは30代で建設業に従事するHさん。公務員の奥様と6歳と3歳のお子様2人の4人家族です。それぞれ600~700万円の収入があるHさんご夫妻は、典型的なパワーカップルで、貯蓄は順調に右肩上がりに積みあがっているそうです。そんなHさんが、どのように資産運用の第1歩を踏み出したのか、どうやって現在の資産を築いたのか、将来に対してどのように考えているのか、インタビューしました。
結婚前から「毎月10万円貯める」と決めていた
ー生活費はどのように管理していますか?
光熱費や食費などの生活費は月10万円を現金で夫婦共通の財布に入れて、原則そこから支払うようにしています。外食や子どもの習い事は都度どちらかが支払うことも多いですね。
ただ、支出の内訳を把握しておらず、共通の財布以外から出すことも多いのが現状です。共通の財布のお金は余ることが多く、あまりきちんと管理できていないのが現状です。
ー教育資金や老後資金はどのように貯めていますか?
結婚前から必ず毎月10万貯めると決めて実行しています。貯蓄が増えたかどうかは、アナログな方法ですが、通帳を見て確認しています。共有口座の目的は主に教育資金ですが、余れば老後資金に充てようと考えています。ただ、たまに旅行や大型家電を買うのに共有口座のお金を使うこともあり…。通帳の残高が順調に増えていればいいと考えてます。
老後資金は原則夫婦別々で貯めており、家庭では管理はしておりません。
ー生活費や教育資金、それぞれ10万円ずつ管理されているのですね。残ったお金はどのようにされているのですか?
共通の財布と共有口座に入れて余ったお金は夫婦別々で管理して、お互いに自由に使っています。個人の支払いはクレジットカードやPayPayで行うことが多く、家計簿などは一切つけていません。最終的に自分のPayPayの毎月の支払いを見て、支出を確認する程度なので、何にいくら使っているか、夫婦別々で準備している老後資金が順調に貯まっているのかを把握できていないのが課題ですね。
家計管理の意識が高まったのは「子どもが産まれてから」
ー家計管理をはじめたのはいつですか?
結婚前の付き合っている頃から共有口座に必ず毎月10万円入れるようにしていました。どちらかが決めたルールというのではなく、お互いにこれくらい貯金すれば良いんじゃないかなという感じではじめましたね。
ー家計管理の意識が高まったタイミングはありましたか?
家計管理の意識が高まった一番のきっかけは子どもです。夫婦共働きで、生活スタイルも貯蓄スタイルも全く違うので、子どもができてから、「子どものために」というのが大きいです。子どもの学費は月10万円の共同貯金にプラスして学資保険代わりの保険(養老保険)に加入して準備しています。
保険は貯金感覚で。保険の契約内容を詳しく把握できていないのが課題
ーリスクに備えるために、どのような保険に加入していますか?
保険金300万円の終身保険と月400ドルの年金が受け取れる養老保険、掛け捨ての医療保険に入っています。養老保険は学資保険の代わりとして加入しています。
ーどのように保険を活用していますか?
保険は貯金と似たような感覚で活用していて、積み立てていけば増えるタイプの保険を選んでいます。マイナスにならなければ良い、積み立てて最終的にお金をもらえれば良いといった感覚です。養老保険も学資保険よりも利率が良いという理由で入りました。
ー積立型の保険を中心に加入されているのですね。リスクに備えるという観点で、加入している保険の保障額などはどのように決められたのですか?
自分自身になにかあったときに「残された家族にどのくらいのお金が必要か」「加入している保険の保障額がどのくらいか」など、詳しくは把握できていません。正直、付き合いで入った保険もあり、保険の内容が今の自分の状況に合っているかもよくわかっていないというのが正直なところです…。
保険を見直したきっかけは「仕事で事故を起こした」こと
ー最初の保険に入ったきっかけは何かありましたか?
最初の保険(養老保険と終身保険)に入ったきっかけは、仲の良い保険会社に勤めている先輩の紹介でした。
その後、奥さんが入っている保険会社の担当者の勧めで養老保険をより運用効率の高いものに見直しました。元々入っていた保険のうち利率の良いものなど残すべきものは残し、もう少し安くて、保障が厚いものがあるからといわれて追加で加入しました。
ー保険を見直すきっかけは何でしたか?
前に入っていた2つの保険は死亡保障オンリーでした。仕事で事故を起こしたのがきっかけで、死亡時には保障があるけど、入院しても全く何もないなと不安を感じ、掛け捨ての医療保険を追加しました。また、子どものことを考えて死亡保障だけだと心配だと感じたのも医療保険に追加で加入した理由です。
資産運用はこれから。まずはNISAをはじめてみたい
ーお金を増やすために、資産運用などは行っていますか?
保険の積立商品以外は、ほとんど資産運用を行っていません。NISAをやってみたいと思い、口座を開設したのですが、口座開設までは順調に行ったもののお金を入れて商品を選ぶタイミングになって面倒くさくなってしまって…。腰が重くてはじめられていない状況です。時間がパッと1日空いたら、多分一気に手続きを進められると思うんですが…。なかなかはじめられないですね。
ーNISAをはじめようと考えたきっかけは何でしたか?
何か不安があるからという理由ではなく、個人で少し余っているお金があるのでNISAをやってみようかなと考えました。貯蓄口座にある約100万円のお金は、何かあった時には確かに必要なお金なんですが、貯蓄口座で眠らせておくくらいなら、NISAとかで運用したほうが良いかなと思いました。
ー数ある金融商品の中からNISAを選んだ理由は何ですか?
世の中の流れを見てNISAに興味を持ったからです。
iDeCoは老後まで引き出せないイメージがあり、自由に引き出せるNISAの方が自分に合っていそうだなと考えています。
家計管理・保険・資産運用の今後について
ーこれまで、現在の家計管理のお話を伺いましたが、老後資金や将来のための貯蓄に関してはどのように考えていますか?何か課題や不安などはありますか?
貯蓄は順調に右肩上がりに積みあがっているので、老後資金など将来の不安は特にありません。
ただ、夫婦でお金に関する話ができていないこと、具体的な金額を把握できていないことは課題かなと思っています。家計管理は共有財布と共同貯金をメインに行っていて、それ以外は夫婦別々でお金を管理しています。そのためお互いの状況がわからず、将来のお金に関する話も特に夫婦でできていません。現状は通帳でしか金額を確認できていないため、アプリなどで総合的に把握するようにしたいですね。
ー今後、保険を見直す予定はありますか?
保険に関しては、何もしないよりは良いかなぐらいの安心で、これ以上増やすつもりはありません。ただ、学資目的の保険(養老保険)に加入しているのは上の子の分だけなので、下の子の分も、同じようになにかしらの保険に入ろうかな?とは考えています。
ー保険は下のお子さん分の保険を検討されているのですね。資産運用に関してはいかがですか?
お金を増やすためには、貯金をして、お金を眠らせておくだけではいけないと理解していますが、まだ特に何もできていない現状です。
老後資金などは大丈夫そうですが、まずはNISAからはじめてみようかなと思います。
ウェルスガイドからのワンポイントアドバイス
Hさんは、ご結婚前から共有口座を活用した貯蓄を継続されていて、老後資金など将来のお金の不安はないというHさん。お金に関する不安がある人が多い中、素晴らしい状況だと思います。
今回のインタビューの中で、Hさんが思っていたよりも死亡保障が少ないことがわかったため、保険に関しては、今一度見直す必要がありそうです。保険は積み立てるタイプが良いとおっしゃっていましたが、追加する分は、収入保障保険や定期死亡保険など少額の保険料で大きな保障を効率的に準備できる掛け捨ての死亡保険を選ぶのがおすすめです。
また、保障と資産運用(投資・貯蓄)は分けて考える必要があります。口座開設した段階で止まっているNISAを活用して、長期的視点をもって投資信託などの積立運用をはじめてみましょう。Hさんの場合は運用期間を長くとれるため、今からはじめて、中長期的に運用を続けることがおすすめです。そうすることで、保険で運用する場合と比べて大きな差が生まれるでしょう。