安心した生活を送るために保険は必要です。
日本では万が一に備えて多くの人が保険に入っています。勧められた保険や人気の保険を選ぶ人が多く、保険に入るだけであれば、難しさを感じることはあまりないようです。
しかし、「自分にぴったりの保険を選べていますか」「無駄なく必要な分だけ保険に入っていますか」と問いかけられた場合に、自信を持って「はい」と答えられる人は多くないのではないでしょうか。
保険に入ることで得られる安心はありますが、保険を掛けすぎると、家計を圧迫することもあります。無駄な保険料を払いたくないとは誰もが思うことです。
では自分にとって足りない備えは何か、本当に必要な保険はどれか、いくら入っておけば十分なのかを知るには、どうすれば良いのでしょうか。まず考えるべきことについて、以下でご説明します。
目次
- 安心して生活を送るには、保険が必要
- 保険は「必要な分だけ」入ればいい
- 公的保険や団信を加味し、追加で保険が必要かを考える
- リスクには、無駄なく合理的に備える
安心して生活を送るには、保険が必要
人生は何が起こるかわからないものです。ある程度、想定通りに人生が進んでいれば良いのですが、思いがけずトラブルに遭うこともあります。病気になったり、事故に遭ったりすることを、予想することはできません。
予想外のトラブルが経済的なダメージにつながると、その人自身や家族が苦難に見舞われることになります。例えば、必要な治療を受けられなかったり、生活水準を大幅に落とすことになると、描いていた理想的な人生とは全く違う未来が待っているでしょう。保険がなければ、その状況をただ受け入れるしかありません。
保険とは、多くの人が保険料を出し合うことによって、万が一の時に保険金を受け取ることができるという仕組みです。お互いに助け合うという相互扶助の考え方に基づいています。
困った状況になった時、適切な保険に加入していれば、自力で貯蓄することが難しいほど大きな金額の保険金を受け取ることができます。それによって、苦難を乗り越え、その先の人生を再び歩き始めることができるでしょう。
普段はあまり意識していなくても、保険があるからこそ、安心して自分らしい人生を送ることができているのです。
保険は「必要な分だけ」入ればいい
ただし、万が一に備えて保険に入れば入るほど、月々の保険料も高くなっていきます。自分や家族が病気になったら、働けなくなったら、親に介護が必要になったら…などと心配しだしたらきりがありません。
すべてのリスクに対して保険に入ったら、相当な負担になるでしょう。実際、月々に支払う保険料の負担が重く、貯蓄や投資に回すお金がなくて悩んでいる方もいます。
保険に入っていれば、万が一のことがあった時にお金を受け取ることができます。しかし、必要以上に保険に入っていると、自分や家族のために使うお金が減ってしまいます。保険を考える上で大事なのは、必要な分だけ保険に入ることなのです。
公的保険や団信を加味し、追加で保険が必要かを考える
では、必要な分だけ保険に入るとは、どういうことなのでしょうか。実は、年齢や家族構成、働き方によって、必要な保険は一人ひとり違います。
日本は公的医療保険、遺族年金、障害年金など、公的な保険が充実しています。そのため、もし病気やケガなどに見舞われても、十分な貯蓄があれば、経済的なダメージがそれほど大きくないことも考えられます。一定以上の貯蓄がある人であれば、必ずしも自分で民間の保険で備える必要はないかもしれません。
また一般的に、住宅ローンを組むと団体信用生命保険(団信)に加入します。団信に加入すると、契約者が死亡したり、高度障害を負うなどの状態になった場合、住宅ローンを返済する必要がなくなります。つまり、万が一の際に必要な生活費のうち、住居費の分は別の生命保険で準備する必要がないということです。
将来起こるかもしれないリスクを考えて不安になるのは、自然なことです。ただし、不安だからといって保険ばかり掛けていたら、本来必要なものにお金を回せなくなってしまいます。
民間の保険を検討する際は、公的保険や団信で既にカバーできているリスクをよく理解したうえで、さらに民間の保険に入って保障を手厚くする必要があるかを考えましょう。
リスクには、無駄なく合理的に備える
では、自分にとって保険は必要か、必要な場合はどの保険を選ぶべきかをどのように判断すればよいのでしょうか。難しそうですが、ステップを順番に押さえていけば、それほど難しくはありません。
まず最初に、自分にはどんなリスクがあるのか、万が一のことがあった場合にいくら必要かを考えます。次に、それぞれのリスクに対して、公的な保険や団信、貯蓄などで既に準備できている保障を把握します。不足がある場合は、保険を使って備える必要があるのかを考えます。
このように順を追って考えることで、適切にリスクをとらえ、無駄なく合理的に備えることができるようになるでしょう。
次回以降、それぞれのステップについて、詳しく説明していきます。