クレジットカードを持っていると、つい使い過ぎてしまうという人はいませんか?
クレジットカードは注意点を理解して上手に活用すれば、現金で支払うよりもお得に使えることもできる決済方法です。
本記事では、クレジットカードの支払方法の仕組みや、クレジットカードを利用するメリット、注意点について解説します。
クレジットカードのメリット
クレジットカードを使って支払うと、現金で支払うより多くのメリットを受けられる場合があります。クレジットカード払いの代表的なメリットを6つ紹介します。
現金を多く持ち歩く必要がない
現金を持っていなくてもクレジットカードがあれば、商品やサービスの代金を支払えます。急に支払いが必要になった時も、クレジットカードを持っていれば、現金を引き出すためにATMを探し回る必要がありません。
また、仮に財布を落としたり紛失をしたりすると戻ってこない可能性があるため、現金を持ち歩きたくない人もいるでしょう。このようなときもクレジットカードなら、クレジットカード会社に連絡をして利用停止にするなどの対処が可能です。
後払いで商品やサービスの購入ができる
クレジットカードには、商品やサービスの代金の支払いを後払いにできる「ショッピング枠」という機能があります。
ショッピング枠とは、利用者が店舗でクレジットカードを使って代金を決済すると、クレジットカード会社が一旦その代金を立て替えて支払い、後日クレジットカード会社が利用者に立て替えた代金を請求するという仕組みです。
そのため欲しい商品や利用したいサービスがあった場合、今すぐ現金が用意できなくても、クレジットカードがあれば購入できます。
買い物をする度にポイントが貯まる
クレジットカードで買い物をすると、利用額に応じたポイントが貯まるものがあります。ポイントを現金のように利用できるクレジットカードであれば、現金で買うよりもお得に買い物ができます。
特定の店舗で利用すると、より多くのポイントが貯まるタイプもあるため、自分がよく利用する店舗でメリットが大きいクレジットカードを選ぶと良いでしょう。
また公共料金や通信費といった固定費をクレジットカード払いにすると、効率的にポイントが貯められます。
カードの付帯サービスや特典を利用できる
クレジットカードの中には、提示するだけで割引価格で商品を購入できたり、サービスが利用できたりする特典がついているものがあります。
ついている特典は、クレジットカードごとに異なります。自身の生活圏で、より有利に利用できるカードを選ぶと良いでしょう。
年会費無料でも、付帯サービスが利用できるクレジットカードもありますが、ゴールドカードやプラチナカードなど高ステータスカードになるほど、サービスや特典の内容が充実している傾向があります。
「旅行傷害保険」などの付帯保険がある
クレジットカードは一般的に「旅行傷害保険」や「クレジットカードの紛失・盗難保険」などがついています。
旅行傷害保険とは、主に旅先でケガや病気で医療費がかかった時の費用を補償する保険です。海外旅行のみ補償の対象とするもの、国内旅行も補償の対象とするものなどがあります。
また旅行傷害保険は、クレジットカードを持っていれば自動的に補償される「自動付帯」と、クレジットカードで旅行代金を支払った場合に補償の対象となる「利用付帯」があります。クレジットカードに旅行傷害保険がついていても利用付帯の場合、クレジットカードを持っているだけでは補償されないので注意が必要です。
「クレジットカードの紛失・盗難保険」とは、クレジットカードの紛失や盗難で不正利用をされて損失が生じた時に補償される保険です。
いざという時のために、クレジットカードの付帯保険が利用できる条件を確認しておきましょう。
家計の状況に合わせて支払い方法を選べる
クレジットカードで支払うと、支払方法も選べます。
例えば高額な買い物をして、一括で支払うことが難しい時は分割払いを選ぶなど、家計の状況に合わせて柔軟に支払方法を選ぶことができます。
クレジットカードの主な4つの支払い方法

クレジットカードは、次の4つの支払方法から選ぶことができます。
- 一括払い
- ボーナス払い
- 分割払い
- リボルビング払い
※一括払い以外の支払い方法は、店舗やカードによっては対応していない場合があります。
各支払方法について、詳しく紹介します。
購入代金を一括で支払う一括払い
商品やサービスの代金を一括で支払う方法です。
カード決済をした月の翌月あるいは翌々月に、購入代金を一括で支払います。また一括払いは一般的に手数料がかかりません。
ボーナス月に支払うボーナス払い
クレジットカードの利用代金を、夏や冬のボーナス時期にまとめて支払う方法です。夏、冬どちらかでまとめて支払う「ボーナス一括払い」と、夏と冬の2回に分けて支払う「ボーナス2回払い」があります。
どの月が夏と冬のボーナス時期に当たるのかはクレジットカード会社によって異なりますが、多くのカード会社は、支払い月を8月と1月をボーナス時期に設定しています。
また一般的にボーナス一括払いは手数料がかかりませんが、ボーナス2回払いは2回目の支払時に手数料がかかります。
なおボーナス払いは、ボーナスをもらっていない人でも利用できます。
複数回に分けて支払う分割払い
支払い回数を指定して、複数回に分けて支払う方法です。カードで支払うタイミングで分割払いを利用したい旨を伝え、分割回数を設定することで利用することができます。
多くの場合、支払回数が2回までは、手数料がかかりません。しかし3回以上の分割払いでは、回数に応じて手数料が発生します。手数料は年利で15%相当になる場合もあるため、利用前に確認をしておきましょう。
また分割回数を増やすほど1回の支払額は減らせますが、手数料が高くなるため、支払総額が増える可能性があります。
分割払いと返済額の差がなく、支払い負担を軽減できるリボルビング払い(リボ払い)
分割払いとリボ払いは、支払いを複数回に分割するという点では同じです。しかし分割払いが「支払回数」を指定できるのに対し、リボ払いは毎月の「支払額」を一定額あるいは一定率に指定できるという違いがあります。
リボ払いはいくつかのパターンがありますが、ここでは「元利定額リボルビング方式」と「残高スライドリボルビング方式」を紹介します。
元利定額リボルビング方式とは、毎月の支払額が1万円、2万円など一定額になるリボ払いです。一方、残高スライドリボルビング方式は、残高が10~20万円の間は毎月2万円、10万円未満になったら1万円など、残高に応じて返済額が変動します。
リボ払いも毎月の支払額を一定額に抑えることができる反面、手数料がかかります。
クレジットカードで3万円の商品を3月1日に購入した場合、リボ払いと分割払いでどのように異なるか見てみましょう。どちらも手数料は15%、支払回数は6回です。
【リボ払い】
支払回数 | 支払い金額 | 手数料 | 支払残高 |
---|---|---|---|
1回目 | 5,319円 | 319円 | 25,000円 |
2回目 | 5,307円 | 307円 | 20,000円 |
3回目 | 5,254円 | 254円 | 15,000円 |
4回目 | 5,184円 | 184円 | 10,000円 |
5回目 | 5,127円 | 127円 | 5,000円 |
6回目 | 5,063円 | 63円 | 0円 |
【分割払い(6回払い)】
支払い回数 | 支払い金額 | 手数料 | 支払残高 |
---|---|---|---|
1回目 | 5,166円 | 320円 | 25,154円 |
2回目 | 5,220円 | 314円 | 20,248円 |
3回目 | 5,220円 | 253円 | 15,281円 |
4回目 | 5,220円 | 191円 | 10,252円 |
5回目 | 5,220円 | 128円 | 5,160円 |
6回目 | 5,224円 | 64円 | 0円 |
このケースでは、リボ払いの総支払額が3万1,254円、分割払いが3万1,270円でリボ払いの方が総支払額は安くなりました。ただし利用金額や手数料率、支払回数などが影響するため、一概にどちらが有利とは言えません。
クレジットカードのデメリットと注意点
クレジットカードは便利な反面、使い方次第ではトラブルに巻き込まれたり、かえって損をしたりすることがあります。クレジットカードのデメリットと注意点について確認しておきましょう。
残高がなくても買い物できるため使い過ぎてしまう
お店で急に買いたいものが見つかっても、現金払いの場合、口座に残高がなければ買い物をできません。
しかしクレジットカードは、残高がなくても買い物ができるため、商品は購入できたものの、後日クレジットカード代金が支払えないということが起こり得ます。
またクレジットカードは後日支払いになるため、使い過ぎると家計管理が難しくなるかもしれません。クレジットカードを頻繁に使う人は、入念に家計管理と支払計画を行わないと、使い過ぎてしまうおそれがあります。
紛失や盗難で悪用されてしまう恐れがある
クレジットカードの紛失・盗難で他人の手に渡ると、悪用されてしまうかもしれません。
またインターネット経由で、カード情報を盗まれて悪用されることがあります。
近年、金融機関やカード会社を装ったサイトに誘導し、本人の情報を入力させてクレジットカード情報を盗み取るフィッシング詐欺が急増しているため注意が必要です。
一般的に不正利用された場合の補償がクレジットカードに備わっていますが、生年月日など推測されやすい暗証番号にしていたり、自ら他人に教えてしまったりすると、補償対象外になる可能性があります。
クレジットカードの中には、悪用防止対策として会員専用サイトから利用制限をかけられるサービスが用意されていることがあるため、確認しておきましょう。
支払い方法によっては手数料がかかる
クレジットカードの支払方法によっては、手数料がかかります。3回以上の分割払いやリボ払いにすると、手数料の分、現金で支払うよりも総支払額が多くなるため、使い過ぎに注意しましょう。
支払い期限が過ぎると遅延損害金がかかる
クレジットカード代金の支払日を過ぎてしまうと、利用代金に加え、ペナルティとして所定の遅延損害金がかかります。
また滞納が長期になると、クレジットカードが利用できなくなる他、信用情報にきずが付き新たにクレジットカードをつくったり、ローンを組んだりすることが難しくなります。
クレジットカードの利用代金は、必ず期限までに支払いましょう。
クレジットカードを使う上で注意すべきこと

クレジットカードは利用代金を後払いにできる決済方法ですが、使い方を誤ると家計に悪影響を及ぼすことがあります。ここではクレジットカードを使う上で注意すべき点について紹介します。
毎月の支払額の詳細を確認する
クレジットカードがあれば現金がなくても買い物ができるため便利ですが、つい使い過ぎてしまいクレジットカード会社の利用明細を見て、初めて使い過ぎに気付くということが起こり得ます。
すぐに手元から現金が減らないため、衝動買いの原因になりかねません。現金での買い物と同様、クレジットカードで買い物をする時も、今本当に必要かを慎重に検討し、支払い計画を立てた上で利用するよう心がけて下さい。
クレジットカードの支払い期日を管理する
クレジットカード利用代金の支払いが遅れると、個人の信用情報にきずが付き、住宅ローンやカードローンの審査に悪影響を及ぼす可能性があります。
新しくクレジットカードをつくることも難しくなる場合があるため、クレジットカードの利用代金は、期限までに必ず支払いましょう。
支払い忘れを防止するために、メール通知サービスの利用や、スケジュールアプリで管理するなど対策をするのも一つの手です。
できるだけキャッシングは使用しない
クレジットカードは代金を後払いにできるショッピング枠の他に、「キャッシング枠」が設定されている場合があります。キャッシング枠はクレジットカードを使って現金が借りられるサービスのことです。
キャッシング枠は急にお金が必要になった時に便利な機能ですが、高い利息がつく可能性があります。また実際にキャッシングを利用していなくても、キャッシング枠の限度額を利用しているとみなされ、住宅ローンや自動車ローンなどの審査に影響する可能性があるため、計画的な利用を心がけて下さい。
クレジットカードの発行を申し込む際に、キャッシング枠の利用をするかどうか選択ができるので、特にお金を借りる予定がない人は、キャッシング枠を「0円」あるいは「なし」を選びましょう。
クレジットカードのメリット面を最大限に活用しよう
クレジットカードはポイントが貯まる上、クレジットカード固有のサービスも利用できる非常に便利な決済手段です。
しかし、つい使い過ぎたり悪用されたりする可能性があるなど、注意すべき点もあります。クレジットカードのメリットを最大限に活用するためにも、あらかじめ仕組みや注意点を十分理解することが大切です。