世界的な起業家イーロン・マスク氏が率いる米スペースXが6月、株式市場に上場しました。宇宙にデータセンターを作り、人類を火星へ――。壮大な構想にロマンを感じる方もいるのではないでしょうか。
世の中を大きく変えるかもしれない成長企業の上場とあって、SNSでは「今のうちに株式を買いたい」といった投稿も見られました。
スペースXに限らず、株式市場に新規上場する企業は、魅力的な成長ストーリーを持っています。そうした未来のスター候補とも言える企業の株式に集中投資をすることで、大きなリターンを得たいという気持ちがある方もいるかもしれません。
そこで今回のコラムでは、過去の新規上場のデータをもとに、個別株投資のリターンについて考えてみたいと思います。
過去のデータから見えるスター候補への投資リターン
さっそく過去のデータを見てみます。引用するのは、過去46年間に米国で新規上場した約9,000社(銘柄)を対象に、上場から5年間の株式投資のリターンを分析した研究です(※1)。
その結果は、やや意外なものかもしれません。なんと、全体の57%は5年間のリターンがマイナスだったのです。なかには、10倍を超えるリターンをもたらした銘柄もありましたが、その数は全体の1.4%に過ぎませんでした。
新規上場企業の株式に集中投資しても、大きなリターンを得られる確率は低かった
米国における新規上場企業9,195社の株式に投資した場合の上場後5年間のリターン(1975年~2021年)(※1)

※Jay R. Ritter「Initial Public Offerings: Updated Long-run Statistics」(2026年4月7日時点)をもとにウェルスナビ作成
※端数処理の関係上、内訳の合計が外側の数値と一致しない場合があります。
この研究結果からは、魅力的な成長ストーリーを持つ新規上場企業の株式に早くから集中投資をしても、確率的には大きなリターンを得られる可能性は低かったことが見て取れます。
分散投資でリスクを抑えながら成長の恩恵を受け取る
もしも集中投資をした企業が期待通りに成長しなかったら……。株価が大きく下がり、深刻なダメージを負ってしまう恐れもあります。これは新規上場企業への投資に限った話ではありません。将来に向けた資産運用では、リスクの高い集中投資を中心に考えるのは避けたいところです。
そこで大切になってくるのが、「分散投資」という考え方です。1社の株式だけに投資をした場合、その企業が倒産すれば株の価値はゼロになります。しかし、さまざまな企業の株式に投資をすれば、たとえ1社が倒産しても、経済の発展とともに多くの企業が成長することで、投資全体としてはプラスのリターンを期待することができます。
だからこそウェルスナビは、世界中の企業に広く分散投資をし、世界経済全体の成長とともに長期的に資産を育てていくことを目指しています。(※2、3)
短期で大勝ちを狙うのではなく、長期的に守りながら増やす
「分散投資では短期間で大きなリターンを狙えないのでは」と思う方もいるかもしれません。しかし、将来に向けた資産運用は「イチかバチかで大勝ちを狙うもの」ではなく、「大切な資産を守りながら長期的に増やしていくもの」だとウェルスナビは考えています。(※4)
お客様がより安定的に長期の資産作りに取り組めるよう、ウェルスナビは世界経済全体への分散投資を提供し続けていきます。
- ※1 Jay R. Ritter「Initial Public Offerings: Updated Long-run Statistics」(2026年4月7日時点)。本コラムでは同論文のうち、1975年から2021年の間に米国で実施された9,195件の事業会社(Operating company)の新規株式上場(IPO)データを対象とした分析を紹介。リターンは、上場前の公募価格(発行価格)を購入価格として、原則として5年間保有し続けたと仮定して算出。検証の詳細は論文をご覧ください。
- ※2 正確には、ウェルスナビは株式だけでなく、債券や金、不動産にも分散投資をしています。その理由はこちらをご覧ください。
- ※3 なお、ウェルスナビにおける米国株の投資対象ETF(上場投資信託)「VTI(バンガード・トータル・ストック・マーケットETF)」には、2026年6月末時点でスペースXがすでに組み入れられています。VTI全体に占めるスペースXの組み入れ比率は0.14%となっています。
- ※4 リスクが高くなることを理解したうえで、個別株にも投資をしてみたい方は、「コア・サテライト戦略」という考え方が参考になります。詳しくはこちらをご覧ください。











