コラム

なぜWealthNaviは「米国株だけ」に投資しないのか

なぜWealthNaviは「米国株だけ」に投資しないのか

2018年11月15日

WealthNaviは厳選した7つのETF(上場投資信託)を通じ 、世界の約50カ国、1万1000を超える企業に分散投資をしています。2018年1月から10月末までのリターンを見ると、7つのETFのうち、米国株(VTI)だけが好調でした。

2018年は米国株が好調だった
各ETFの2018年1月から10月末までの騰落率

2018年は米国株が好調だった

こうした状況を見て、「わざわざ分散投資するよりも米国株だけに投資した方がよいのではないか」と思う人がいるかもしれません。

今回のコラムでは、WealthNaviが米国株(VTI)だけでなく、日欧株(VEA)や新興国株(VWO)、さらには米国債券(AGG)、金(GLD)、不動産(IYR)、物価連動債(TIP)と、異なる資産に分散投資している理由をお伝えします。

米国株がずっと好調とは限らない

確かに、2018年の年初から10月末までのリターンだけを見ると、米国株だけを買っていればよさそうに見えます。それでは、米国株はこれからもずっと好調なのでしょうか。

WealthNaviが投資している7つの資産クラスの年間リターンを比べてみましょう。ここでは、2009年から2018年(※1)の、毎年のリターンが高かった順に資産クラスを並べています。

7つの資産クラスのリターンの順位は、毎年異なっていることがわかります。ある年にリターンが高かったからと言って、翌年もそうだとは限らないのです。

リターンの順位は毎年バラバラ
資産クラスごとの2009年から2018年(※1)の年間リターン

リターンの順位は毎年バラバラ

たとえば2017年は、新興国株のリターンが+31.5%と最も高く、日欧株(+26.4%)、米国株(+21.2%)と続きます。少し遡って、2011年を見てみると、最もリターンが高かったのは物価連動債(+13.3%)で、金(+9.6%)、米国債券(+7.7%)、不動産(+5.5%)と続きます。リターンの高い資産クラスは、2017年とはまったく異なります。

7つの資産クラスのうち、「リターンが1位の資産クラス」「リターンが最下位(7位)の資産クラス」だけをみても、顔ぶれは毎年のように変わっています。「1位」と「最下位(7位)」だけを抜き出したのが下図です。

「1位」も「最下位」も毎年異なる
WealthNaviが投資する7つ資産クラスのうち年間リターンが1位と最下位の資産

「1位」も「最下位」も毎年異なる

たとえば、2012年と2017年のリターンが1位だった新興国株は、2011年と2015年は最下位でした。新興国株は、いいときは高いリターンをもたらすものの、マイナスになったときの下落率も大きく、ハイリスク・ハイリターンであることがわかります。

2018年の年初から10月末までのリターンがプラスだった米国株についても、これから先ずっと同じように好調とは限りません。米国株のリターンが、ほかの資産と比べて低くなる年が訪れる可能性も考えておくべきでしょう。

例えば、リターンを高くすることだけを考えてひとつの資産に集中投資すると、予想が外れて大きく損をするリスクも背負うことになります。これは米国株に限った話ではありません。

WealthNaviが米国株だけでなく、さまざまな資産にも幅広く投資しているのは、その年の世界経済の状況にかかわらず、安定的に資産を成長させていくことを狙っているからです。一つの資産に集中せず分散投資をすることで、大きく儲ける可能性は低くなる一方、大きな損失を出すリスクも抑えられます。

世界のプロも分散投資

ところで、もしこの先1年間で最もリターンが高くなる資産が何かわかっていれば、次の1年間は、すべての運用資金をその資産に投資すればいいでしょう。「2018年は米国株のリターンがいちばんいい」と確信していたなら、米国株だけに投資すればよかったのかもしれません。金融のプロであれば、将来どの資産のリターンが高くなるのかを当てられるのでしょうか?

残念ながら、相場の動きを正しく言い当てることはとても難しいと言われています。巨額の資金を預かる金融のプロでさえも、「米国株だけ」など、ひとつの資産に賭けるようなハイリスクな投資はしていません。

世界最大規模の運用資産を持つ、ノルウェー政府年金基金を見てみましょう。株式、債券、不動産に分けて、世界72カ国・9146銘柄に分散して投資しています。幅広く分散投資することで、資産を安定的に成長させることを狙っています。

世界最大級ファンドは世界中に分散
ノルウェー政府年金基金の資産配分(2018年9月末)

世界最大級ファンドは世界中に分散

(出所)Norges Bank Investment Management

「プロであればこれから値上がりする資産を正確に当てられる」のであれば、その資産に集中的に投資するはずですが、実際にはそのようなことはありません。

なぜ「値上がりする資産」を当てられない?

ずっと投資の世界にいるプロでさえも、これから値上がりする資産を当てられないのはなぜでしょうか。それは、「マーケットが“賢い”から」です。マーケットでは多くの投資家が、経済の先行きや他の投資家の動きを予想して先回りしようとしています。そのマーケットで抜け駆けをすることは、たやすいことではありません。

たとえば、これから米国経済の調子がよさそうだと予想したとき、米国株を買うのは当然だと思うかもしれません。しかし、多くの投資家が同じように考えて購入すると、米国株は値上がりしやすくなります。ニュースなどを見て「米国株がよさそうだ」と予想したときには、多くの投資家が投資した後で、すでに割高になっており、さらなる値上がりが期待できないかもしれません。

逆に、多くの投資家が値上がりを期待していない資産は、買う人が少なく割安な可能性があります。ただ、割安な資産の価値が見直されて多くの人が「買いたい」と思うようになり、大きく値上がりすることもあります。

マーケットでは、世界中の投資家が少しでも利益を得ようとして、投資しています。資産の価格は、「買いたい」という思惑と、「売りたい」という思惑のバランスで決まります。専門家の間でも予想が分かれるマーケットで、ひとつの資産が値上がりするか値下がりするかを当てることはとても難しいと言えます。

集中投資でひとつの資産クラスに賭けるのではなく、幅広い分散投資でリスクを抑えながら、長い目で資産を育てていきましょう。

(※1)2018年は10月末までのデータ
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