コラム

世界最大級ファンドはどんな資産運用をしている?

世界最大級ファンドはどんな資産運用をしている?

世界的にスタンダードな資産運用とはどんなものでしょうか? 今回のコラムでは、世界最大級のファンドがどんな運用をしているのかについて、詳しくご紹介します。

例に挙げるのは、運用する資産が100兆円以上と世界最大級の「ノルウェー政府年金基金」。約600人の資産運用の専門家が運営に携わっています。

ノルウェー政府年金基金は、国民の将来の生活を支える大切な政府財源として、リスクを抑えながら、じっくりと資産を育てることを目標にしています。北海油田から得られる石油や天然ガスの収入を元手に、1998年から20年以上、運用を続けてきました。

いったいどのような運用をしているのでしょうか。

世界最大級のファンドの資産運用とは?

ノルウェー政府年金基金が行っているのは、「長期・積立・分散」の資産運用です。

原油収入を定期的に積み立て、投資対象を世界中に分散しながら、長期的な視点で運用しています。ポートフォリオ(資産の組み合わせ)を見ると、世界中の株式や債券、不動産に幅広く、約73カ国9,158銘柄に分散投資していることがわかります。

世界最大級のファンドは「長期・積立・分散」

ノルウェー政府年金基金のポートフォリオ(2018年12月末現在)

ノルウェー政府年金基金のポートフォリオ(2018年12月末現在)

ノルウェー政府年金基金は、なぜ世界中に分散投資をしているのでしょうか。理由は大きく3つあると考えられます。

①世界経済の成長を享受し、長期的に得られるリターンを高める
②一部の国や企業が不調になったとしても、資産全体への影響を和らげられる
③国外に投資することで、自国通貨の価値が相対的に弱くなった場合にも、中長期的に購買力を保てる

こうして分散投資をしながら、短期的なマイナスのリターンを受け入れつつ、長期的なリターンの最大化を目指しているといえるでしょう。

WealthNaviが行っているのも、「長期・積立・分散」の資産運用です。ポートフォリオは、世界最大級のファンドであるノルウェー政府年金基金と似ています。

WealthNaviも「長期・積立・分散」

WealthNaviのポートフォリオ(リスク許容度3、2019年2月末現在)

WealthNaviのポートフォリオ(リスク許容度3、2019年2月末現在)

ノルウェー政府年金基金が株式、債券、不動産に投資しているのに対し、WealthNaviは株式、債券、金、不動産など約50カ国1万1,000銘柄の資産に投資しています。

長期的なリターンの最大化を目指す

600人もの資産運用のプロが運用しているノルウェー政府年金基金のパフォーマンスは、つねにプラスなのだろうと思う人もいるかもしれません。1年ごとのリターンを見てみましょう。

運用をスタートした1998年からの21年のうち、5年はマイナスのリターンになっています。世界的な株価急落があった2018年も、リターンはマイナスでした。

過去21年間のうち5年はマイナスのリターン

ノルウェー政府年金基金の1年ごとのリターン

ノルウェー政府年金基金の1年ごとのリターン

続いて、1年ごとのリターンではなく、長期のリターンを見てみましょう。1998年から21年間の累積パフォーマンスは約3倍(平均すると年5.5%)」と大きなプラスになりました。リーマン・ショックが起こった2008年には大きく資産を減らしていますが、長期で見ると、その影響は限定的だったことがわかります。

長期的なリターンの最大化を目指している

ノルウェー政府年金基金の運用パフォーマンス(累積)

ノルウェー政府年金基金の運用パフォーマンス(累積)

個人で「長期・積立・分散」の資産運用をしている場合、リターンがマイナスになると、「運用方法が間違っていたのではないか」と不安に感じるかもしれません。2018年のように株式市場の急落があった年には、特にそう感じた人も多かったのではないでしょうか。

しかし、世界最大級のファンドであるノルウェー政府年金基金も、2018年はマイナスのリターンでした。「長期・積立・分散」の資産運用は、すべての年でリターンがプラスになるものではありません。運用期間トータルで大きなプラスのリターンを狙います。

景気の一時的な悪化などによる短期的なマイナスのリターンに一喜一憂せず、長い目で資産運用をすることが大切です。

(注)ノルウェー政府年金基金のデータについては、『ノルウェー政府年金基金・グローバル 2018年アニュアル・レポート』(2019年2月発行)より引用、文中のグラフは同レポートをもとに当社にて作成

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