ウェルスナビはサービス開始から6年以上が経ち、お客様に「長期・積立・分散」の資産運用のメリットを徐々に感じていただけるようになってきました。今回のコラムでは、運用期間ごとのお客様の損益状況(注)に関するデータをもとに、「長期・積立・分散」の有効性を解説したいと思います。
2年間続けてご利用いただいたお客様の9割以上がプラスのリターン
まず、お客様の運用期間と損益状況のグラフをご覧ください。
運用期間が長いほど、リターンがプラスのお客様が多いことが分かります。2年間ご利用いただいたお客様の9割以上がプラスのリターンを得ています。そして、運用している期間が長くなるほど、運用リターンはプラスを維持しやすくなっています。
一方、運用を始めて6カ月や1年では、始めたタイミングによって短期的な相場変動の影響を受けてリターンがマイナスになっているお客様が一定程度いらっしゃいます。
運用期間が長くなるほどリターンはプラスを維持しやすくなっている
運用期間別のお客様に占める割合(%);2022年6月末時点

運用を始めたばかりでマイナスになると、「このまま続けて良いのだろうか」と考えるかもしれません。行動経済学の研究によれば、元本付近でのリターンの変化は人間の感情に大きなインパクトを与えると言われています。長く運用を続けていくなかで、始めたばかりのときが最も苦しい時期と言われています。
短期で成果が出なくても失敗ではない
資産運用を続けて、安定したリターンを得ている方の多くもこうした苦しい時期を経ています。短期で成果が出ないことは決して「長期・積立・分散」の資産運用においては失敗ではありません。
2022年6月末時点でリターンが20%以上プラスになっているお客様が91%を占める「運用期間5年」のお客様に絞って、運用を始めたばかりのころはどうだったか見てみましょう。下の図にあるように、資産運用を始めたばかりのころはリターンがマイナスになっている方も少なくありません。
運用期間が短い間は損益が一時的に悪化することもあった
運用期間が5年のお客様の損益の推移;2022年6月末時点

損益の悪化が目立つのは、2018年12月末と2020年3月末時点です。2018年12月は米中関係の悪化などで世界的に株価が下がった影響を受けています。2020年3月はコロナ・ショックによるものです。一時的に損益が悪化しているものの、その後の相場回復でリターンはプラスに戻っています。
2022年に入り、世界的な物価上昇などの影響で相場は不安定な時期があったものの、運用を始めたばかりのころに比べると、リターンがプラスを維持しやすくなっていることが分かります。運用を続けたことでリターンが蓄積し、相場変動を和らげる役割を果たすようになっています。
長く続けるコツを知る
このように現在、大きなプラスのリターンを得ている方も、運用を始めたばかりのころは、リターンがマイナスになり「苦しい」と感じた時期もあったことがうかがえます。そうした時期を乗り越えるには、いくつかコツがあります。
1つは資産運用の目的を設定することです。「長期・積立・分散」の資産運用を続けて築いた資産をどのように使うかを決めて、衝動的に資産を売りたくなったら思い返すようにしてみてはいかがでしょうか。
もう1つは、いざというときに必要になるお金は運用に回さないということです。無理して投資に回すのではなく、ご自身の収入と貯蓄のうち、余裕資金を運用に回しましょう。
最後にお伝えしたいのは、相場の短期的な値動きを見過ぎないということです。相場を短期で見ると、大きく下がることもあります。一方、過去の相場を長期で見ると、下落したとしてもいずれ回復し、資産を持ち続けていれば、リターンはプラスになっています。長期の資産運用では、タイミングをはかるより続けることが重要だとウェルスナビは考えています。
(注)各月末時点で預かり有価証券の残高が1万円以上ある顧客を対象にした2022年6月30日までの運用実績(運用開始月を0カ月目として、継続月数ごとに月末時点の各顧客の損益を取得。継続月数までに全額出金した顧客は除外。運用実績から手数料を控除)。リターンが0%の場合は「+ 0%〜+ 5%」に含まれている。
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