資産運用を続けていき、リターンが大きくなってくると、利益確定の出金を考える方もいるかもしれません。将来に備える「長期・積立・分散」の資産運用において、利益確定は必要なのでしょうか。
ウェルスナビは、利益確定は短期売買の手法であり、「長期・積立・分散」の資産運用では必要ないと考えています。利益確定には、以下のようなデメリットがあります。
値上がり益を取り逃がす可能性がある
「長期・積立・分散」の資産運用は、世界中の株式や債券などに幅広く分散投資をします。実質的に世界経済全体に投資していると言え、世界経済の中長期的な成長がリターンの源泉になります。
利益確定をして資産運用を中断すると、その期間は世界経済の成長からリターンを得る機会を逃すことになります。もちろん、短期的には相場が下落することもありますが、淡々と運用を続けていれば得られたはずの値上がり益を取り逃がす可能性があることは頭に入れておきたいところです。
分配金を受け取れなくなる
ウェルスナビが投資対象としているETF(上場投資信託)には、一定の間隔で分配金が支払われるものもあります(※1)。この分配金も、世界経済の中長期的な成長を源泉とするリターンの一つです。資産運用を中断すると、その期間は分配金を受け取ることができません。
再投資のタイミングが難しい
利益確定をした後、いずれ資産運用を再開するのであれば、再投資のタイミングも悩ましい問題です。投資のプロであっても、値動きの予測を間違えることは多くあります。出金後に予測に反して値上がりした場合、心理的にも運用を再開することはなかなか難しいものです。
利益には税金がかかる場合がある
NISA口座ではなく、通常の口座(特定口座または一般口座)から資産を売却(出金)する際は、利益の約20%に税金がかかる点にも注意が必要です。いずれ資産運用を再開するのであれば、税金の分だけ運用元本が減ってしまい、出金しなかった場合よりも非効率な運用になってしまいかねないからです。
必要なときに、使う分だけ出金する
では、出金するとしたら、いつがよいのでしょうか。それは、相場の動きとは関係なく、資産を使うとき、資金が必要なときです。
多くの方にとって、資産運用を行う目的はお金を増やすことそのものではなく、豊かな人生を送ることにあるはずです。ですから、ゆとりある老後の生活資金にする、やりたいことを実現するための資金にする、といった理由で出金するのは自然なことです。
一方で、それ以外の理由で出金すると、本コラムでご説明したように資産を増やす機会を逃すことになってしまう可能性があります。
ご自身が望んだ人生を送るために、この先もお金を使うときが来るまでは淡々と資産運用を続けていくことをおすすめします。
※1 ウェルスナビが投資対象としているETF(上場投資信託)の分配予定月はこちらをご確認ください。なお、分配金が発生しない場合や、分配予定月が変更される場合があります。
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