2019年4月28日、ウェルスナビは創業4周年を迎えます。2016年7月に正式リリースした、ロボアドバイザー「WealthNavi(ウェルスナビ)」は、働く世代を中心に多くの方にご利用いただき、2019年4月1日時点で預かり資産1,400億円、申込件数は19万口座を超えました。
直近の1年間は金融市場の動きが大きく、多くの個人投資家にとって試練の年となりました。私たちウェルスナビにとっては、お客様とのコミュニケーションの大切さを改めて実感した1年でした。
創業4周年を迎えるにあたっての思い、これから実現していきたいことについて、CEO柴山和久に聞きました。
――2018年は株価の急落が2回あるなど、厳しい1年でした。
2018年の金融市場は、2017年とはまったく違う様相を見せました。2017年初めからほぼ一本調子で上がり続けていた株価が、2018年2月、世界的に急落しました。「WealthNavi(ウェルスナビ)」で資産運用をしていた方の中には、ショックを受けた方も多かったと思います。
2月の急落から初秋にかけて株価は上がり基調でしたが、秋から年末にかけて再び大きく下がりました。金融市場がよくなったり悪くなったりを繰り返したことで、個人投資家にとって、心理的に翻弄されやすい1年間となりました。
――2018年2月の株価急落時に、「CEO柴山和久より『WealthNavi』をご利用の皆様へ」と題したメールを、お客様にお送りしました。
ショックを受けている方が多いのではないかと感じ、創業来初めて、私からすべてのお客様宛てにメッセージをお送りしました。
~2018年2月4日にお客様へ送付したメールの一部抜粋~
「中長期的な資産形成を目指すとき、いちばん大切なことは、長い目でリターンを最大化させることです。(中略)
過去にはリーマン・ショックさえも「長期・積立・分散」の資産運用を続けることで乗り越えることができており、あとから振り返ると、資産形成の長い道のりにおいては一時的な誤差に過ぎなくなっています。株価や為替相場の大きな変動には誰しもショックを受けるものですが、相場がよいときも悪いときも一喜一憂せず、淡々と資産運用を続けていただくことをおすすめします。
今週の株価急落があっても、本日時点で、WealthNaviをご利用中の98.7%(※)の方が資産運用を続けてくださっ
ています。皆様のご期待に応え、「長期・積立・分散」の資産運用をサポートできるよう、これからも努力してまいります。」
※1 2018年2月4日時点での全運用者のうち、18年2月9日13時集計時点での運用継続者の割合(運用停止予定者も運用停止者として計算)
このメールには、予想を超える反響をいただきました。「不安だったのでうれしかった」「すごくよいタイミングだった」など、ポジティブな反響の多さに驚きました。
メッセージで述べた通り、相場急落時に資産運用をやめた方は、極めて少数でした。しかし、内心では不安を感じている方が多いことがわかったのです。実際、相場急落の直後、2018年2月に実施したセミナーは、それまでとは打って変わって張り詰めた雰囲気でした。
そこで、12月の相場急落時にも私からお客様へメッセージをお送りしました。こちらにも大きな反響がありました。「長期・積立・分散」の資産運用の本質についてメールやセミナーでお伝えすることで、少しでも不安を解消していただけていたら幸いです。
――この経験を経て、どのような学びがありましたか。
改めて、お客様とのコミュニケーションがいかに大切であるかを実感しました。
お客様の中には、投資経験が豊富な方もいらっしゃれば、投資がはじめての方もいらっしゃいます。「WealthNavi」はスマホやPCなど、オンラインで完結するサービスですが、それぞれの方の悩みや疑問にしっかり応えるため、「顔の見えるサービス」としても進化しています。
例えば、「セミナーに申し込もうとしても、すぐに満席になってしまう」という声にお応えし、開催回数を大幅に増やしました。2019年1月~3月の3カ月間だけで、33回ものセミナーを開催し、1,000名を超える方々にご参加いただきました。都内に加え、横浜や大宮などでのセミナーも始めており、今後は首都圏以外の地域でも開催できるようにしていきたいと考えています。
また、「遠方で参加できない」「平日では時間が合わない」という声を受け、いつでもどこでもご視聴いただけるよう、2018年12月に、セミナーを動画で公開しています。さらに、セミナーでよく聞かれるご質問を参考に、コラムの内容も大幅に充実させました。
「ものづくりする金融機関」として寄り添う
お客様の声は、「WealthNavi」のサービス改善にも生かされています。
この1年間の主な例としては、
・2段階認証のセキュリティを導入
・自動積立の引き落とし日を5つ(※1)から選択できるよう改善に改善
・個人資産管理サービス「マネーフォワード ME」に加え「Moneytree」「Zaim」との連携
といった施策を行ってきました。いずれも、お客様からのご要望を実現させたものです。
私たちのビジョンは「ものづくりする金融機関」であり、メンバーの約半数がエンジニア・デザイナーなどのクリエイターです。ものづくりのチームが社内にいることで、お客様からいただいたご要望にスピーディーに対応することができます。
今後も、「ものづくりする金融機関」として、お客様の声をサービス改善に反映するだけでなく、お客様の期待を上回る、世界水準のサービスづくりを目指していきます。
――2018年11月には、個人として、書籍『元財務官僚が5つの失敗をしてたどり着いた これからの投資の思考法』を出版。発行部数が累計2万部となりました(※1)。どういう思いで書いたのでしょうか?
「そもそも資産運用のやり方がわからない」「相談できる相手がいない」という悩みに応えたい、という一心で書きました。
資産運用の入門書を執筆したいという気持ちは、創業以前からありました。友人から資産運用について相談されるたびに、薦められる本があれば、と考えていたからです。しかしいざ書き始めてみると、専門的な内容を何からどのように説明すればいいのか見当がつかず、すぐに筆が止まってしまいました。
突破口になったのが、セミナーです。80回以上講師を務めたウェルスナビのセミナーを通じ、累計1000を超える質問をいただきました(※2)。そこで学んだエッセンスを、『これからの投資の思考法』に注ぎ込みました。資産運用を始めたばかりのときに一喜一憂しやすい理由、誰もが陥りがちな投資の罠など、多くの方が抱く悩みへの、私なりの回答を凝縮しました。
出版から1週間でAmazonの投資カテゴリーで1位となり、ウェルスナビのお客様にも手にとっていただきました。「わかりやすい」という反応をたくさんいただけたことが特にうれしく、セミナーに参加してくださった皆様のおかげです。
「定年まで勤め上げれば、国と会社が老後の面倒を見てくれる」という社会モデルが崩れつつある今、この本を豊かさへの道しるべ(Wealth-Navi)として活用してもらいたいと願っています。
一人ひとりのお客様の人生を豊かに
――2018年8月に預かり資産が1,000億円を超えました。この節目をどうとらえますか。
働く世代が将来に備えるには、世界的にも王道とされる「長期・積立・分散」の資産運用が有効です(ご参考:コラム「『長期・積立・分散』をはじめよう」)。
しかし、日本にはまだ「長期・積立・分散」の資産運用が根付いていません。分散投資に不可欠な投資信託の保有額は、1,800兆円の個人金融資産のわずか4%であり、また、平均して約3年しか保有されていないというのが、この国の実情です(※3)。
そのため、私が2015年に創業したとき「(WealthNaviのようなサービスは)日本で求められていないのではないか」と、周囲から非常に心配されました。
しかし私は、退職金が減少し、年金への不安が増す今だからこそ、働く世代が安心して使える資産運用サービスが必要だと確信していました。
この4年で、WealthNaviを作るチームが大きくなり、日本を代表する金融グループなどのサポートも受けられるようになりました。提携パートナーの数は10を数え、創業の想いを共有できる輪が広がっていることを実感しています(※1)。
WealthNaviが登場したことで、働く世代が抱えていた不安が「将来に備えたい」という強いニーズに変化しました。そのニーズに支えられて、ウェルスナビは急成長しています。16年7月の正式リリースから約2年8カ月となる2019年4月1日時点で、預かり資産1,400億円、申込件数は19万口座を突破しました。
――次のステージで、ウェルスナビはどんなことを目指しますか。
私たちは、日本で「長期・積立・分散」の資産運用をするなら、WealthNaviがベストな選択肢だと自負していますし、そうあり続けられるようにこれからも努力していかねばならないと考えています。
その先では、誰もが安心して利用できる金融インフラになることを目指しています。金融インフラになることで、「長期・積立・分散」の資産運用を日本に普及させ、一人ひとりのお客様のより豊かな人生をサポートしたいと思っています。
どうかこれからも、ウェルスナビをよろしくお願いいたします。
- 2019年4月時点
- 2018年11月時点
- 個人金融資産は 日本銀行「資金循環統計」(2019年3月)を参照。投資信託の保有年数は、投資信託協会「公募投資信託の資産増減状況(実額)」(2018年)を基に当社にて算出。
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