「値上がりしそうな資産だけに投資したい」と考えることがあるかと思います。しかし、実際はなかなか上手くいかないものです。
こちらは、ウェルスナビで投資をしている6つの資産(米国株・日欧株・新興国株・債券・金・不動産)について、2010年から2022年までの年間リターンを高いものから順番に並べた図になります。
リターンの順位は毎年バラバラ
投資対象(資産クラス)ごとの2010年から2022年の年間リターン

※各資産クラスに対応するETF(銘柄名)の年次トータルリターン。米国株(VTI)、日欧株(VEA)、新興国株(VWO)、債券(AGG)、金(GLD)、不動産(IYR)
ぱっと見て、お気づきになることはありませんか?そう、色の並びがバラバラ。リターンの順位は毎年違うのです。ある年にリターンが高かった資産クラスが、翌年もリターンが高いとは限らないということです。
相場を予測して投資する難しさ
たとえば、米国株に注目してみたいと思います。2010年からの13年間のうち、3年はトップのパフォーマンス。その他の期間も、おおむね上位になっています。6つの資産の中で、相対的にパフォーマンスは良かったと言えます。
2010年~2022年は、米国株が好調な年が多かった
投資対象(資産クラス)ごとの2010年から2022年の年間リターン

※各資産クラスに対応するETF(銘柄名)の年次トータルリターン。米国株(VTI)、日欧株(VEA)、新興国株(VWO)、債券(AGG)、金(GLD)、不動産(IYR)
しかし、2000年からの10年間を見てみると、少し様子が異なります。特に、2000年からの3年間は、 ITバブル崩壊などの影響を受け、米国株は3年連続でマイナスのリターンでした。
米国株がいつも好調とは限らない
投資対象(資産クラス)ごとの2000年から2009年の年間リターン

※各資産クラスに対応するETF(ETF設定前はインデックス等)の年次トータルリターン。米国株:VTI/Wilshire 5000、日欧株:VEA/MSCI EAFE Index、新興国株:VWO/MSCI Emerging Markets Index、債券:AGG/Bloomberg US Aggregate Bond Index、金:GLD/LBMA Gold Price、不動産:IYR/Dow Jones U.S. Real Estate Index
続く2003年からの5年間を見てみると、米国株よりも新興国株や日欧株の方がパフォーマンスが良かったのです。
米国株よりも、新興国株や日欧株が好調だった
投資対象(資産クラス)ごとの2000年から2009年の年間リターン

※各資産クラスに対応するETF(ETF設定前はインデックス等)の年次トータルリターン。米国株:VTI/Wilshire 5000、日欧株:VEA/MSCI EAFE Index、新興国株:VWO/MSCI Emerging Markets Index、債券:AGG/Bloomberg US Aggregate Bond Index、金:GLD/LBMA Gold Price、不動産:IYR/Dow Jones U.S. Real Estate Index
そして、リーマンショックが起きた2008年、株や不動産が大幅に下落するなかで、“安全資産”とされる債券や金が上位になっていたのは、言うまでもありません。
債券などの“安全資産”が上位になることも
投資対象(資産クラス)ごとの2000年から2009年の年間リターン

※各資産クラスに対応するETF(ETF設定前はインデックス等)の年次トータルリターン。米国株:VTI/Wilshire 5000、日欧株:VEA/MSCI EAFE Index、新興国株:VWO/MSCI Emerging Markets Index、債券:AGG/Bloomberg US Aggregate Bond Index、金:GLD/LBMA Gold Price、不動産:IYR/Dow Jones U.S. Real Estate Index
このように、23年間という長い期間で見ていただくと、ある時期にリターンが高かったからと言って、その他の期間もずっと好調とは限らないのです。値上がりしそうな資産を予測して投資することが、いかに難しいかお分かりいただけたでしょうか。
分散投資の重要性
つい忘れがちなのですが、リターンを高くすることだけを考えて、1つの資産に集中投資するということは、同時に、予想が外れて大きく損をするリスクを抱えていることになります。
ウェルスナビでは ETF (上場投資信託)を通じて、株だけではなく債券や金、不動産など、値動きの異なる資産に分散投資しています。
さまざまな資産に、最適な割合で投資
ウェルスナビの資産配分(ポートフォリオ)のイメージ図

1つの資産に集中することなく分散することで、短期的には大きなリターンを得る可能性は低くなる一方、大きな損失を出すリスクも抑えられるのです。
幅広い分散投資でリスクを抑えながら、長い目で資産を育てていきましょう。
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