コラム

WealthNaviのETF選定方法

WealthNaviのETF選定方法

【要約】

WealthNaviは、長期的な視点からお客様の資産の安定的な成長を狙うため、投資対象とする資産クラスごとに、資産規模や流動性、コストなどに関する客観的な基準を設け、取引するETFを選定しています。

前回の記事「ETF(上場投資信託)とは何か?」では、ETFに関する基礎知識をご説明しました。今回の記事では、WealthNaviのETF選定方法についてご説明します。WealthNaviは、国内外の運用会社から手数料や広告料などを一切受け取らないことで独立性を保ち、お客様の利益を最優先とする立場に立って、ポートフォリオに組み入れるETFを客観的に選定しています。

投資対象にする資産クラスの特定

WealthNaviはまず、投資対象にする資産クラスを特定します。資産クラスとは、同じような特徴や値動きを持つ資産をおおまかに分類したもののことを指します。WealthNaviは現在、地域・資産ごとの特性や実務における分類、また優良なETFを通じた長期投資が可能かなども考慮して、以下の7つの資産クラス(※1)を投資対象にしています。

WealthNaviが投資対象とする
7つの資産クラスとその特徴

WealthNaviが投資対象とする7つの資産クラスとその特徴

資産クラスごとに最良のETFを選定

続いてWealthNaviは、客観的な基準に基づいて資産クラスごとに最良と考えられるETFを選定します。

具体的には、米国で上場している約2000銘柄のETFの中から、以下の①~⑤のような観点により銘柄を選定しています。

各資産クラスにおいて客観的な基準でETFを選定

各資産クラスにおいて客観的な基準でETFを選定

① 資産クラス全体に連動する

WealthNaviは、各資産クラスの全体的な動向を示すインデックス(指数)に連動するETFを投資対象の候補とします。そのような銘柄への投資は通常、インデックス運用(パッシブ運用)と呼ばれています。
参考:「個人投資家も取り組みやすい”平均点を狙う”インデックス運用

インデックス運用に関しては、1990年にノーベル賞を受賞したウィリアム・シャープ氏の「資本市場価格モデル(CAPM)」などによって、その合理性が理論的に裏付けられています。(詳しくはWealthNaviのホワイトペーパーをご覧ください)

なお、ETFの中には、インデックスの2倍や3倍の値動きをする「レバレッジ型」、インデックスと逆の値動きをする「インバース型」、特定の業種(セクター)など市場の一部のみに投資するようなタイプもありますが、上記の理論の観点からWealthNaviでは投資対象外としています。

② 資産規模が大きい

資産規模が小さいETFには償還リスク、つまり運用会社が運用をやめてしまい、資金が投資家に戻ってくるリスクがあります。そのような場合、値上がりしていた銘柄を望まないタイミングで売却して税負担が発生するなど、投資効率が低下することがあります。そのため、安定して長期投資を行う上では、資産規模が大きく、償還リスクの低いETFを選ぶことが重要です。

WealthNaviでは、償還リスクを避けるために、資産規模が大きく、かつ足もとで大きな資金流出が起こっていないETFを投資対象としています。

2020年12月末現在、WealthNaviが選定したETFは、平均して8.1兆円の資産規模があります。

③ 流動性が高い(取引額が多い)

ETFには、頻繁に取引される銘柄もあれば、ほとんど取引されない銘柄もあります。取引の少ない銘柄に対して大量の発注を行うと、なかなか取引が成立しなかったり、想定より高い値段で購入するなどの不利益が生じることがあります(このような、取引が市場価格に与える影響をマーケット・インパクトと呼びます)。

長期投資であっても、資産運用の開始時やリバランス時、急に資産の現金化が必要になった時などには取引を行う必要があります。このとき、狙ったタイミングで、狙った価格で取引を行うことが望ましいため、投資対象として取引が十分に多い銘柄を選ぶことが重要となります。そのためWealthNaviでは、一定金額以上の取引があるETFだけを選定しています。

④ 外国投資信託の届出がされている

WealthNaviは、米国にて上場しているETFを投資対象としています。投資信託及び投資法人に関する法律(投信法)では、そのような外国の投資信託(ETFを含む)を国内での取り扱う場合の届出について規定しています。
WealthNaviでは、ETFの選定にあたり、この投信法に基づく金融庁への届出がされていることを条件としています。

⑤ コストが低い

ETFを用いて資産運用を行う際には、取引の際に証券会社に払う取引コストのほか、保有に対してもコストがかかります。保有コストは長期投資のリターンを下げる大きな要因になるため、できるだけ保有コストが小さい(経費率が低い)ETFを選定することが重要です。

WealthNaviでは、経費率に加えて、取引の際のBid-Askスプレッドも考慮しETFの選定を行います。さらに、取引量が少ない銘柄についてはマーケット・インパクトにより実質的なコストが増える可能性なども考慮しています。

例を挙げると、WealthNaviは米国株に連動するETFとして「VTI」を選定していますが、この「VTI」の経費率は0.03%であり(2020年12月末現在)、他の米国株ETFに比べて非常に低い値になっています。(※2)

WealthNaviが選定した7つのETF

これまでご説明してきた基準を用いて、7つの資産クラスごとにETFを選定します。具体的な銘柄は以下の通りです。(※2)

WealthNaviが投資対象とするETF

2020年12月末時点、1ドル=103.22円の場合

WealthNaviが投資対象とするETF

※ 各運用会社が公表している「経費率」を「保有コスト」としています。

これらの銘柄は、ETFの市場が発達している米国においても、特に大きな資産規模を誇っています。また、運用実績は最も短い銘柄で10年程度あり、長期投資の対象としても安心感があります。

また、投資対象のETFは、今後の様々な状況の変化に応じて変更される可能性があります。

おわりに

資産運用を行うにあたって、どのような金融商品を選択するかは非常に重要なポイントです。WealthNaviは、お客様が安心して将来に備えた資産運用を行うことができるように、今まで説明したきた客観的な基準によって最良と考えるETFを選定しています。

またWealthNaviは、今回ご紹介したETFの選定方法を含めて、資産運用のプロセスや手法の全体像を、ホワイトペーパーとして公開しています。ぜひご覧ください。

  • 設定されたリスク許容度によってポートフォリオに含まれる銘柄数は異なります。リスク許容度1と2では7銘柄、リスク許容度3~5では6銘柄です(2020年5月現在)
  • 各ETFの詳細な情報は以下から確認できます。
コラムに関する注意事項
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