コラム

個人投資家も取り組みやすい”平均点を狙う”インデックス運用

個人投資家も取り組みやすい”平均点を狙う”インデックス運用

【要約】

  • 一般的な投資手法の分類として「アクティブ運用」と「インデックス運用」(パッシブ運用)がある。市場の平均的なリターンを狙うインデックス運用は、WealthNaviの資産運用の基礎にもなっている。
  • 効率的な投資手法であるインデックス運用は、仕事などで忙しい一般の個人投資家も取り組みやすい。
  • インデックス運用の合理性には理論的な裏付けもあり、プロの投資家も常識的に活用。著名投資家のウォーレン・バフェット氏も、一般の個人投資家にはインデックス運用を推奨。

「投資」という言葉にどんなイメージを持っているでしょうか。
値上がりする銘柄を当てたり、相場の上がり下がりのタイミングに賭けて利益を狙うもの、と思われているかもしれません。確かにそれも1つの投資手法ですが、情報収集や分析に多大な手間暇をかけても、狙った通りに利益をあげ続けることはプロでも難しいと言われています。
今回は、もっと効率的な投資手法として個人投資家の間でも広まりつつあり、WealthNaviの資産運用の基礎にもなっている「インデックス運用」をご紹介します。

平均点を狙う投資

一般的な投資手法の大きな分類として「アクティブ運用」と「インデックス運用」(パッシブ運用)があります。アクティブ運用が積極的に高いリターンを得ようとするのに対して、インデックス運用は市場の平均的なリターンを得ることを狙います。

アクティブ運用は市場の平均を上回るリターンを目指して、様々な手法を駆使します。例えば、企業の決算情報などから将来の値動きを予想して値上がりしそうな銘柄を選別して買い、実際に値上がりすると売却(利益確定)して別の銘柄に乗り換える、といったことを行います。そうして狙い通りのリターンが得られた場合はそれで良いのですが、予想が外れて損失を被る可能性があることにも注意が必要です。近年は世界中の投資家がITや人工知能の技術も駆使してリターンを得る機会を狙っています。そのような投資家たちと戦って収益を獲得し続けるのは、それほど簡単ではないと考えたほうがよいでしょう。

それに対してインデックス運用は、「日本株」や「米国株」といった市場(アセットクラス)を丸ごと買って持ち続けることで、他の投資家に大勝ちも大負けもせず平均点をとる、という考え方をとります(図表1)。

図表1 インデックス運用のパフォーマンス(イメージ図)

市場を丸ごと買うといっても、自力で何百何千といった多数の銘柄を購入する必要はありません。市場全体の値動きに連動するように設計された「インデックスファンド」と呼ばれる低コストの投資信託やETF(上場投資信託)を保有することで、同様の効果を得ることができます。ただしインデックスファンドやETFに投資していても、その値動きを予想して売買を繰り返すのであれば、それはアクティブ運用と考えられます。インデックス運用では、相場の短期的な動きに左右されず、同じ銘柄を長期間保有し続けることが大切です。

インデックス運用は一般にアクティブ運用よりも投資にかける時間や手間、さらにはコストも抑えることができます。仕事や趣味などに忙しく投資にあまり時間をかけたくない一般の個人投資家にも受け入れやすい投資手法ではないでしょうか。

プロの投資家もインデックス運用

インデックス運用は、多数の銘柄への分散投資によってリスクを抑えた効率的な投資手法です。その有効性は金融工学の理論上も示されており、プロの投資家は以前から活用してきました。その代表例が年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)です。日本には公的年金の制度があり、若いうちに決められた金額を納付することで老後に年金を受給できますが、GPIFはその納付された資金を管理・運用している公的機関であり、130兆円もの運用資産をもつプロの投資家です。

図表2 GPIFの運用の内訳

GPIFは将来にわたって安定的に国民に年金を支給し続けるために、長期的な視点で資産を守り育てることが期待されています。そのGPIFの資産の大部分は、インデックス運用であり、アクティブ運用は2割しかありません(図表2)。

ウォーレン・バフェット氏も推奨

世界でも最も著名な投資家の1人であるウォーレン・バフェット氏も、一般の個人投資家にはインデックス運用を推奨しています。バフェット氏は、米国で自らが経営する投資会社である「バークシャー・ハザウェイ」の株主にあてて年に一度手紙を送っていますが、その手紙の中で、普通の投資家は米国株を対象とした低コストのインデックス運用を行えばよいと何度も説いています。さらに、自分の死後に妻に相続された遺産の大部分もそのような運用をするように指示している、とも述べています。

バフェット氏自身は徹底した分析によって割安銘柄を見つけ出して長期保有することで高いリターンを上げてきましたが、一般の投資家は真似をしようとせずインデックス運用をするのが賢明だと説いているのです。

おわりに

インデックス運用は、これまで一般にはあまり知られていなかったかもしれませんが、プロの投資家が長期運用をする際には以前から常識的に使われてきた合理的な資産運用の手法です。WealthNaviの資産運用もこのインデックス運用を基礎として、効率的にリターンを獲得するために最適化されたポートフォリオを構築しています。将来の予想に頼って大きく儲けようとするのではなく、世界への幅広い分散投資と長期保有によって資産を守り育てることに主眼を置いています。

2016年は英国がEU離脱を選択し、米国ではトランプ氏が大統領選に勝利するなど、多くの人の予想と異なる出来事が起こりました。また、トランプ氏が勝利すると低迷すると言われていた株価は逆に急上昇するなど、世の中の出来事が投資に与える影響を正確に予測することはプロでも難しいこともわかりました。

相場の動きに合わせて売買を繰り返したものの、結局はずっと持ち続けた方がパフォーマンスが良かった、というのも投資ではよくある話です。世の中のニュースや専門家の予想の変化に合わせて走り回るのではなく、一歩下がって、世界の経済成長という大きな流れにうまく乗るという投資も考えてみてはいかがでしょうか。

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