まとめ
- 相場が下がったとき、手元に余裕資金があるなら投資してもいい
- 資産を安く買うと、相場が回復するだけでリターンがプラスになる
- 今後の下落が気になるなら、積立でリスクを抑えた投資を
相場が急落したとき、「手元にある余裕資金を投資してもいいですか?」というご質問をいただくことがあります。
相場が急落したときに投資をしたほうがいいのか、回復するまで待ったほうがいいのかを考えてみましょう。
安く買った資産は、相場が回復するとプラスになる
普段の買い物をするときは、「同じものならなるべく安く買いたい」と考えるはずです。買おうと思っていたものが値下がりすると嬉しいと感じるのではないでしょうか。
投資においても、同じように考えることができます。長期的に見れば、相場が下がったときは資産を安く買うことができます。手元に余裕資金があるなら投資にまわしてもいいでしょう。
資産を安く買えていると、その後どのような効果をもたらすのでしょうか。
もう少し長い時間軸で見てみましょう。こちらは、リーマン・ショックが起こった2008年から約10年間の世界全体の株の値動きです(※)。
相場は2008年後半に何度も急落を繰り返しながら下落し、2009年3月に底を打った後は急落前の水準を超えて大きく上昇しました。世界全体に分散して投資していると、不調な地域があっても他の地域の成長で補い、中長期的に大きく伸ばすことが期待できます。
相場が下がったときに買った資産は、相場が回復するとプラスのリターンになります。リーマン・ショックで相場が下がったときに資産を買っていれば、その後の回復で大きなリターンを得たであろうことがわかります。
ただし、これは急落を待って投資すべきという話ではありません。相場の急落はいつどのくらいの大きさで起こるかはわからず、待った方が有利とは限りません。また、実際に急落したタイミングでうまく投資できるとも限らないでしょう。
また、投資はあくまで余裕資金の範囲で、無理のない金額で行うことが大切です。相場がいつ底を打って回復するかは誰にもわかりません。近いうちに使うことがわかっている資金は投資せずに残しておきましょう。
長く続けられる方法で投資する
相場が下がる途中で投資をしていると、短期的にリターンがマイナスになることがあります。相場が下がったときに買っても、さらに下がって資産が目減りするのが心配だという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし将来に備えた長期の資産運用を行っているなら、途中経過ではなく、長期のリターンに目を向けることが大切です。ではどうすれば、短期のマイナスを乗り越えて長期のリターンをとることができるでしょうか。
リターンに対する感じ方は人によって異なるため、自分に合った投資方法を選ぶことで長期で続けやすくなります。
①値下がりが気にならないなら「まとめて投資」
「しばらく相場が下がり続けるかもしれないけれど、10年後、20年後にはプラスだろうから気にしない」と考えられる方は、タイミングを気にせず、余裕資金をまとめて投資することもできるでしょう。
その場合、実際にリターンがマイナスになっても方針を変えずに、じっくり持ち続けることが大切です。
②値下がりが心配なら「分けて投資」
値下がりが心配な方には、着実に買い続ける「積立投資」をお勧めします。一度投資した後で相場が下落しても、次の積立のタイミングで安く買えるとポジティブにとらえることができるでしょう。結果的に底に近い安いタイミングで買うことが期待できます。
積立をしていないのであれば積立を始め、すでに積立をしているならば余裕資金の範囲で増額を検討してもいいでしょう。
「長期・積立・分散」の資産運用は、短期でのリターンの獲得ではなく、将来使える資産を増やすことを目的にしています。相場の動きを気にしすぎず、長い目で資産運用を続けましょう。
※世界全体の株価の動向を表す代表的な指数である「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(MSCI ACWI、配当込み)」を使用。期間は2008年1月末~2020年3月末。
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