コラム

リスクのかたち②~為替はどう影響する?(前編)~

リスクのかたち②~為替はどう影響する?(前編)~

2022年10月、ドル円相場が32年ぶりに1ドル=150円台となり、大きなニュースになりました。外国の株や債券などへの投資では、為替レートが変動すると円建てのリターンに影響が出る可能性があります。今回のコラムでは、「為替変動リスク」を取り上げます。

円高は円換算のリターンの減少要因

まずは、為替の基本を整理しましょう。

為替レートが1ドル=100円だった場合、1ドル=80円に動くことを「円高(ドル安)」といいます。これは、より少ない円で1ドルを買えるようになった(円の価値がドルに対して高くなった)ことを意味します。

反対に、1ドル=120円に動いたら「円安(ドル高)」です。この場合、より多くの円を支払わないと1ドルを買えなくなった(円の価値はドルに対して低くなった)ことになります。

円高・円安の仕組み

円高・円安の仕組み

次に、このような為替の変動が資産運用にどう影響するのかを見ていきましょう。

1ドル=100円の時に、1万ドル分の米国株を買うには100万円を支払うことになります。株価が1万ドルのまま変わらないとすると、1ドル=80円の円高になれば、円建ての評価額は80万円に減ってしまいます。

反対に、1ドル=120円の円安になれば、円建ての評価額は120万円に増えます。

このように、外国の株などに投資した場合、為替レートが動くことで円建てで見た場合の評価額が変わり得ます。うまくいけば円安の恩恵によるリターンを得られるかもしれませんし(上記の例では投資した100万円と評価額の120万円の差額であるプラス20万円)、反対に円高による損を被る可能性もあります(上記の例では100万円と80万円の差額のマイナス20万円)。これを「為替変動リスク」と呼びます。

ここまでを読んで、外国の株や債券に投資する場合は、円高の時に購入し、円安になったら売却するのがリターンを高めるコツだと思った方がいるかもしれません。

リターンを円建てで考えた場合、理屈としてはその通りなのですが、実際の資産運用ではそれほど単純にはいきません。

次回のコラムでは、その理由について解説します。

コラムに関する注意事項
本資料の情報は、公開日時点のものです。公開日時点で一般に信頼できると思われる情報に基づいて作成していますが、情報の正確性や完全性を保証していません。当社は、新しい情報や将来の出来事その他の情報について、更新又は訂正する義務を負いません。
本資料は断定的判断を提供するものではありません。最終的な決定は、お客様自身で判断するものとし、当社はこれに一切関与せず、一切の責任を負いません。
本資料に基づいて被ったいかなる損害についても、当社は一切の責任を負いません。

人気記事ランキング

ランキングをもっと見る

関連記事

スペシャルコンテンツ

  • ウェルスナビの創業ストーリー

カテゴリーから探す

口座開設の流れ