コラム

「相場が下がるときは積立を中断するのがいいですか?」

「相場が下がるときは積立を中断するのがいいですか?」

コラム「相場下落時こそ積立を~下落時の「積立」なら、回復するだけでプラスに~」では、相場が下がったときこそ積立投資を淡々と続けることが大切なことをお伝えしました。

ただ、「相場が下がる中で積立を続けても資産を減らすだけだ」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。

はたして、相場が下がるときに積立を中断すべきでしょうか。具体的な相場の動きの例を使って考えてみます。

相場が下がる時は積立をしないほうがいい?

1月に1万円だった株価が、3カ月間下落して7000円になり、その後は上昇に転じて12月に1万円に戻った例を考えてみましょう(※1)。

株価の動きの例

株価の動きの例

今回は、毎月積立を続けてきた2人の投資家、AさんとBさんの例を考えます。すでに運用している資産の額は、1月時点でどちらも100万円だったとします。

Aさんは相場の動きをあまり気にせず、相場が下がる中でも月10万円の積立を続けました。

それに対してBさんは、しばらく相場が下がるので、新たに積み立てた資金が目減りしてしまうのは避けたいと考えました。そこで、3月から「月10万円の積立」を中断し、相場が落ち着いたと感じた8月から再開しました(※2)。

Aさん:1月から12月まで月10万円を積立
Bさん:1月と2月は月10万円の積立をしたが中断。8月に再開し12月まで積立
※すでに運用している資産の額はどちらも100万円だったとし、単純化するためリターンはゼロだったとします。

12月の時点で、リターンが大きいのはAさんでしょうか? それともBさんでしょうか?

まずはAさんのリターンの推移を見てみましょう。4月までは株価の下落によりマイナスが拡大しました。しかし5月以降は株価の回復によりマイナスが縮小し10月にはプラスになりました。12月時点でのリターンは約21万円でした。

次に、Bさんのリターンを見てみましょう。Aさんと同様に4月までマイナスが拡大し、5月以降は縮小しました。しかし、Aさんが10月時点でプラスになったのに対し、マイナスは11月まで続きました。12月時点でのリターンも、Aさんの約21万円に対し、Bさんは約5万円にとどまりました(※3)。

AさんとBさんのリターンを並べて比較してみましょう。

Aさんは、相場が下がる中でも積立を続けていました。その結果、相場が大きく下がった4月時点では、Aさんのほうがマイナスが大きくなっていました。しかし株価が上昇に転じた5月以降のリターンの回復はAさんのほうが早かったことがわかります。

12月時点ではAさんのリターンが約21万円なのに対し、Bさんのリターンは約5万円と、相場をみて積立を中断したBさんよりも、淡々と積立を続けていたAさんのほうがリターンを得ていたのです。

どうしてこのような結果になったのでしょうか。

Bさんは相場が下がる途中で積立を中断したため、マイナス幅はAさんよりも抑えられました。しかし、結果的に相場の底に近い安い時期に投資できていなかったことで、相場回復の恩恵をAさんほど受けられませんでした。

短期的な資金の目減りを避けるために積立をやめてしまうと、安く投資する機会を逃すことになりかねません。安いときにしっかりと投資しておけば、その後に相場が回復した際により早く損を解消し、リターンのプラス幅も大きくなるのです。

人間の脳は資産運用に向いていない

冷静に考えると相場が下がるときに安く買うほうが得だとわかります。しかし実際に相場が下落している最中は、積立をやめたくなりがちです。なぜでしょうか。

それは、人間は損をすることを極端に嫌うからです。
これは行動経済学の研究でも明らかになっており、「損をすること」と「得をすること」を比べると、感情の振れ幅は2倍近くになります。損をしたときの心の痛みは非常に大きいということです。

「損をしたくない」というのはとても自然な感情なのですが、こと資産運用にあたっては、マイナスに働くことがあります。相場が上がっているときはいいのですが、下がっているときは直感的に資産運用をやめたくなりがちだからです。

機械的に投資する積立投資は、直感に惑わされることなく投資資金を積み上げられることがメリットです。相場の動きを見て積立を中断するのではなく、淡々と続けることをお勧めします。

  • 株価は1月から4月まで毎月1000円ずつ下落、その後12月まで375円ずつ上昇したという設定です。また、指定した金額で単元未満株を買えるものとします。取引にかかる手数料は考慮していません。
  • Bさんが3月から7月まで積立を中断したことで投資されなかった50万円は現金のまま保有したとします。リターンを考える際には、現金なのでリターンはゼロとなります。
  • AさんとBさんの今年の投資額を合わせるために、Bさんが8月から月20万円に増やして積立を再開したケースを考えた場合も、12月のBさんのリターンは約10万円とAさんには及びませんでした。

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