老後などの将来に備える資産運用では、大きな損失を避けながらプラスのリターンを狙うことが大切です。先人は試行錯誤の末、そのような資産運用に向く「分散投資」という手法を編み出しました。本連載では、分散投資の考え方や効果について基礎から解説します。
分散投資でリスクを抑えられる
目の前にたくさんの卵があります。1つのカゴに入れてしまうと、カゴを落としたときにすべて割れてしまうかもしれません。しかし、複数のカゴに分けておけば、1つを落としても他のカゴの卵は無事でしょう。
投資の世界では、昔から「卵を1つのカゴに盛るな」と言われてきました。卵はお金、カゴは投資の対象となる株式や債券などの資産(※1)を意味します。
たとえば、特定の株だけに集中投資をしたら、その株が大きく値下がりしたときに大きな損失が出てしまいます。しかし、株とは異なる種類の資産である債券にも分散投資をすれば、損失をやわらげることができるでしょう。
1つのカゴに盛るとすべての卵が割れてしまう
集中投資と分散投資のイメージ
分散投資を取り入れることによって、リスク(※2)を減らしてより安定的に資産運用ができるようになります。
カギを握るのは「3つの分散」
では、具体的に分散投資とはどのように行えばいいのでしょうか。カギを握るのは「3つの分散」です。
「3つの分散」でリスクを抑えた資産運用を
第一が、投資対象とする資産の分散です。これは株式だけではなく、異なる値動きをする債券や不動産、金などにも投資をしましょうという考え方です。
次が、投資対象とする地域の分散です。日本に住んでいると、日本企業の株や日本国債などを身近に感じますが、リスクを抑える観点からは海外の資産にも目を向けるべきです。
最後が、時間の分散です。これはイメージが湧きにくいかもしれませんが、一度にすべてのお金を投資するのではなく、時期を分けて投資をすることを意味します。
これら3つの分散は、いずれも安定的な資産運用に資するものであり、セットで活用することによって効果が高まります。次回のコラム以降で、それぞれについてさらに説明していきます。
- 資産(資産クラスともいう)とは、「株式」や「債券」のように、投資対象を大まかな特徴によって分類したものです。主な資産には株式や債券のほか、金や不動産などがあります。同じ株式のなかでも、「米国株」「新興国株」などとより細かく分類することもあります。
- 投資におけるリスクの意味については、以下のコラムが参考になります。
リスクのきほん①~誤解しがちな「リスク」の意味~
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